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人工知能技術を用いた音声理解システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 03044172
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
研究機関大阪大学

研究代表者

溝口 理一郎  大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20116106)

研究分担者 YUNGーHWAN Oh  韓国科学技術院, 電子計算機学科, 助教授
山下 洋一  大阪大学, 産業科学研究所, 教務職員 (80174689)
OH Yung-Hwan  Department of Computer Science, Korea Advanced Institute of Science and Technolo
研究期間 (年度) 1991
研究課題ステータス 完了 (1991年度)
キーワード音声理解 / エキスパ-トシステム / 音声認識 / 言語処理 / 韓国語 / 音声対話
研究概要

音声によるコンピュ-タとの対話を実現するために不可欠な技術課題として,音声の理解と認識,連想,非単調推論(ATMS),対話を管理するモデルの構築などを取り上げ,それぞれの技術的課題を解決するため基礎技術について研究を行なった.音声理解における言語処理に困難にしている要因の一つとして,音韻認識の不確実さに起因する候補数の増大が挙げられる.即ち,同音異義語だけでなく音韻の挿入・脱落・置換といった認識誤りによって,ある時間区間中の音韻列は多数の候補単語に対応することになる.このような曖昧さを解消しつつ,最終的に与えられた発話に対する単語列を同定するためには,音声の物理的な特性である音響情報以外に,高次の情報として発話内容に伴われる言語情報を効果的に援用していかなければならない.このために,ATMSに基づく言語処理方式を開発するとともに,処理の実行を制御する知識の収集を行い,音声理解のプロトタイムシステムを作成した.また,高度な連想に基づく言語理解を行なうために,連想情報の分類とその利用法について検討した.更に,人間とコンピュ-タとの音声による対話を実現するために,音声認識・理解システムや音声合成システムに加えて対話の流れを管理する対話管理システムMASCOTS(MAnagement System for COnversation using Twinーstack and Srーplan)を構築した.一般に対話では(音声を用いる場合は特に)システムが想定していた通りの返答がユ-ザから返ってくるとは限らない.また,同じ意味の事柄がいろいろな言に回して発話される.MASCOTSは,プランとスタッフの考え方を用いてこのような対話固有の特性を吸収し,発話の中から必要な情報みのを取り出し適切な形式に変換する役割を担っている.この研究によって,対話における主題の管理や対話に固有の言語現象が明らかになり,対話予測能力を持つ音声理解システムのための要素技術が確立した.
これらの日本語に関する研究成果を韓国語の音声理解システムに適用するために以下の項目について基礎的な考察を行なった.
(1)本研究者らが既に開発していた連続音声認識エキスパ-トシステムSPREXの音声分析モジュ-ルと特徴パラメ-タの記述モジュ-ルを再検討して,韓国語の音声を処理できるように拡張することを試みた.特徴記述の結果は認識性能に大きく影響する重要な要素である.この作業において,日本語音声と韓国語音声の相違点を明確に把握し,必要十分な特徴記述を行えるようにしなければならないことがわかった.
(2)日本語文法と韓国語文法の相違点と類似点を比較検討し,韓国語に特有の言語現象,例えば省略,倒置などの有無を調べて言語処理方式を概念設計を行なった.
(3)音声デ-タと言語デ-タの共有を目指してデ-タベ-ス整備の方針を検討した.今後の研究を円滑に実施するためにはデ-タベ-スの整備は必須の要件である.
以上の研究により,本研究者らが,本研究開始前にすでに世界に先駆けてエキスパ-トシステムの手法を導入した連続音声認識システムSPREXの手法が基本的に韓国語にも適用できることを確認した.このような共通性を見いだすことによってシステムの汎用性が確認された.今後,韓国語の音声を認識するためのル-ルの開発が必要となる.基本的には日本語に関して進められている音声理解システムの研究成果を韓国語の場合に適用して,音声理解システムを構築することと二つのシステムを比較検討することによってシステムの完成度を高めることを計画している.

報告書

(1件)
  • 1991 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] Shingo Nishioka: "A Generic Framework Based on ATMS for Speech Understanding Systems" IEICE Trans.E74. 1870-1880 (1991)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Tetsuya Yamamoto: "MASCOTS:Dialog Management System for Speech Understranding System" IEICE Trans.E74. 1881-1888 (1991)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 山下 洋一: "対話管理における次発話の予測に関して" 電子情報通信学会第二種研究会資料. SPREC91ー1. 63-66 (1991)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 中村 彰宏: "連想機能を用いた音声理解システムー連想情報の分類とその利用ー" 電子情報通信学会技術研究報告. SP91ー111. 25-32 (1992)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 西岡 真吾: "音声理解システムのための効率的な曖味さ解消のための枠組" 電子情報通信学会第二種研究会資料. SPREC91ー2. 5-6 (1992)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 吉田 英昭: "対話管理におけるMOPを用いたユ-ザ発話の予測" 日本音響学会秋季講演論文集. 181-182 (1991)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Shingo Nishioka: "A Generic Framework Based on ATMS for Speech Understanding system" IEICE Trans.E74. 1870-1880 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Tetsuya Yamamoto: "MASCOTS : Dialog Management System for Speech Understanding System" IEICE Trans.E74. 1881-1888 (1991)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yoichi Yamashita: "On Utterance Prediction in Dialog Management Systems" IEICE Tech. Rep.SPREC91-1. 63-66 (1992)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Akihiro Nakamura: "Speech Understanding System with an Association Mechanism -Classification and Utilization of Association" IEICE Tech. Rep.SP91-111. 25-32 (1992)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Shingo Nishioka: "A Framework for Disambiguation of Input Words for Speech Understanding system" IEICE Tech. Rep.SPREC91-2. 5-6 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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