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埋め込み型人工心臓の開発と血液適合性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 03044173
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
研究機関国立循環器病センター

研究代表者

高野 久輝  国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 部長 (60028595)

研究分担者 井街 宏  東京大学, 医学部・医用電子研究施設, 教授 (10010076)
YOON Shin Le  国立ソウル大学, 生体医工学研究所, 特別研究員
CHEOL Sang K  国立ソウル大学, 生体医工学部, 講師 卜級化学研究員
HAN Ik Jo  国立ソウル大学, 附属病院・同医学部・臨床病理学, 教授及び委員長
KYUNG Phil S  国立ソウル大学, 小児病院・胸部、循環器外科, 教授及び院長
IN Seon Shin  国立ソウル大学, 生体医工学研究所, 特別研究員
SEON Yang Pa  国立ソウル大学, 医学部・内科医学, 准教授
BYOUNGーGOO M  国立ソウル大学, 医学部・生体医工学科・生体医工学研究所, 教授 所長
妙中 義之  国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (00142183)
松田 武久  国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 部長 (60142189)
加藤 久雄  国立循環器病センター研究所, 病因部, 部長 (80029959)
MIN Byoung-Goo  Seoul National University, Dept. of Biomedical Engineering
研究期間 (年度) 1991
研究課題ステータス 完了 (1991年度)
キーワード完全体内埋め込み型人工心臓 / 遠心ポンプ / 生体医用材料 / 血液適合性 / 光反応化学 / 内皮細胞 / ルンブロカイネ-ス / ポリウレタン弁
研究概要

完全体内埋み込み型人工心臓の駆動システム、さらには、生体医用材料の血液適合成に関し、日・韓両国のメンバ-が韓国が会し、討論を行った。以下に、討論された問題点にそって両国の現状をまとめる。
1.駆動システム
国立循環器病センタ-では、摩擦ポンプ(アクチュエ-タ)を正・逆転させる事で、シリコン油を左右交互に動かし血液ポンプを駆動させるエレクトロハイドロリック方式が採用されている。本システムの利点は、アクチュエ-タを血液ポンプと離れた位置に埋め込み可能で、従来開発をおこなってきた空気駆動型人工心臓がそのまま利用でき、またその胸腔内へのフィッティングを損なうことが無い。しかし、モ-タ-を正・逆転させる事による効率の低下が大きい点が、現在の欠点である。生理的状態に設定された循環回路を用いたテストでは、最大60回の心拍と5L/minの心拍出量が得られている。また、成山羊を用いた急性実験でもほぼ同等の結果が得られている。今後、アクチュエ-タのデザイン及びモ-タの改良を行い、効率を向上させる事が大きな課題である。東京大学では、ユニ-クなアイデアの埋め込み型人工心臓が開発されている。これは、一つの遠心ポンプに2つの3方弁を付け、更に、それぞれの3方弁に血液の輸入出ポ-トを取り付けたもので、3方弁を切り替える事で一つのポンプが両心室の機能を果たす。現モデルを用いたin vitroテストでは、5L/min程度の流量が証明されているが、一つのポンプを用いる事による動静脈血シャントやシステムの抗血柱性等が今後の課題である。ソウル大学では、2つの血液サックの間でアクチュエ-タを左右に動かし血液を駆動する、ペンデュラムタイプの埋め込み型人工心臓が開発されている。5頭の動物実験がすでに行われ、100時間の生存記録を得ている。本システムでは、アクチュエ-タと2つのサックがひとつのハウジングの中に収められており、ポンプのデサインの自由度が低い。このため、人体内での解剖的適合性に問題がある。
2.材料表面での抗血柱性の獲得
国立循環器病センタ-では、医用材料表面に血液が接した場合の内因性血液凝固系やカリクレイン・キニン系の活性化に関する研究が行われている。ビタ-ガ-ドの種子から、これらの系の活性化を阻害するインヒビタが見つけられており、人工臓器や体外循環に応用できる可能性がある。また、血液面だけでなく材料面からのアプロ-チも行われている。すなわち、光照射で開裂するフェニルアジド基を吸着させたい蛋白等に化学反応させ、本物質を目的とするポリマ-上で光照射により吸着させる技術の開発が行われている。様々なポリマ-、蛋白質に応用可能であり、人工臓器やバイオセンサへの応用が期待できる。ソウル大学では、より高い抗血柱性を獲得する為に、ポリウレタン表面を内皮細胞や蛋白分解酵素であるルンブロカイネ-スで被覆する研究が行われている。また、ペンデュラムタイプ人工心臓の血液室内での、流れと血柱形成の関係に関する研究も行われている。
3.その他
自然心では、左右心拍出量が数%異なるが、埋め込み型人工心臓においてこの左右差をいかに実現するかは、大きな問題である。国立循環器病センタ-では、心房内シャントを利用する事を考えている。東京大学のタイプの人工心臓では、3方弁の開閉の時間を変える事で比較的容易に実現できる。ソウル大学では、血液サックを2重にして外側のサックをペンデュラムに固着し、ペンデュラムの動きを非対称にする事と、さらにペンデュラム周囲のシリコン油と空気の量を調節する事で、左右差を実現しようとしている。
人工心臓には機械弁を用いるのが現在の主流であるが、ソウル大学では、人工心臓と同じ材料のポリウレタンを用いた人工弁の開発と評価が行われている。製作コストが低い事が利点であるが、耐久性や石灰化の問題が今後の課題である。

報告書

(1件)
  • 1991 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] Kou Imachi,et al.: "Blood compatibility of the jellyfish valve without anticoagulant." Trans Am Soc Artif Intern Organs. 37. M220-M222 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kou Imachi,et al.: "A new pulsatile total heart using a single centrifugal pump." Trans Am Soc Artif Intern Organs. 37. M242-M243 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yoshiyuki Taenaka,et al.: "Chronic evaluation of a compact nonseal magnet pump as a nonpulsatile pump for long-term use." Trans Am Soc Artif Intern Organs. 37. M243-M245 (1991)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Satoshi Niu,et al.: "Control of cellular orientation in two-dimensional tissue formation:surface topplogic effect of collagen fibers on endothelialization." Trans Am Soc Artif Intern Organs. 37. M441-M442 (1991)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Sang H.Lee,et al.: "Development of a totally implantable total artificial heart controller." Trans Am Soc Artif Intern Organs. 37. M505-M507 (1991)

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      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 松田 武久,他: "造膜可能な蛋白質化学固定化材の開発" 人工臓器. 20. 493-496 (1991)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kou Imachi, et al.: "Blood Compatibility of the jellyfish valve without anticoagulant." Trans Am Soc Artif Intern Organs. 37. M220-M222 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Kou Imachi, et al.: "A new pulsatile total heart using a single centrifugal pump." Trans Am Soc Artif Intern Organs. 37. M242-M243 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Yoshiyuki Taenaka, et al.: "Chronic evaluation of a compact nonseal magnet pump as a nonpulsatile pump for long-term use." Trans Am Soc Artif Intern Organs. 37. M243-M245 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Satoshi Niu, et al.: "Control of cellular oriention in two-dimensional tissue formation : surface topplogic effect of collagen fibers on endothelialization." Trans Am Soc artif Intern Organs. 37. M441-M442 (1991)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Sang H. Lee et al.: "Development of a totally implantable total artificial heart controller." Trans Am Soc Artif Intern Organs. 37. M505-M507 (1991)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
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      1991 研究成果報告書概要

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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