研究課題/領域番号 |
03045018
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 大学協力 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉本 隆成 東京大学, 海洋研究所, 教授 (40004428)
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研究分担者 |
WEIBE Peter ウッズホール海洋研究所, 上級研究員
JOYCE Terren ウッズホール海洋研究所, 上級研究員
WHITEHEAD J. ウッズホール海洋研究所, 上級研究員
中田 英昭 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (60114584)
藤本 博巳 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (50107455)
木村 龍治 (木村 竜治) 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (20013576)
野崎 義行 東京大学, 海洋研究所, 教授 (70126142)
PETER Weibe ウッズホール, 海洋研究所, 上級研究員
TERRENCE Joy ウッズホール, 海洋研究所, 上級研究員
J A Whitehea ウッズホール, 海洋研究所, 上級研究員
TAKAHASHI Ko ウッズホール海洋研究所, 研究員
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 陸棚縁辺域 / 黒潮沿岸域 / 回転水槽実験 / 海水交換 / 物質輸送 / 渦 / 熱水 / 陸棚の海水循環 / 音響計測 / 大陸斜面域 / Kane断裂帯 / 大西洋中央海嶺 |
研究概要 |
1.ウッズホール海洋研究所との共同研究 (1)・木村龍治-J.A.Whiteheadの共同研究 木村龍治は、1993年8月、ウズホール海洋研究所に滞在し、ホワイトヘッド氏と共同で、陸棚と外洋の間の海水交換の能率に関する理論的研究および実験を行った。陸棚上の冷水と外洋水の暖水の交換能率は陸棚の幅に依存する。陸棚の幅が内部変形半径より大きいと密度フロントが陸棚上に形成され、海水交換は著しく妨げられる。陸棚の幅が変形半径よりわずかに小さいときは、その幅と密度差に応じた海水交換が行われるが、その際は非線型効果(海水の慣性効果)が卓越する。定量的な海水交換量を求めるため、やや理想化した2層モデルを仮定して海水交換の非線型理論を構築した。その結果、自転効果が大きくなるにつれて陸棚の縁における冷水の厚さが小さくなり、それに応じて海水交換能率も悪くなることがわかった。理論で予測された現象が実際に生じるかどうか確かめるために、回転水槽内部に陸棚のモデルを作り、自転効果の卓越する条件下で、冷水と暖水の境界面の形を観察した。その結果、回転効果が小さい時は、理論と一致するが、回転効果が大きくなると、交換量が理論の予言より大きくなることがわかった。その理由は、フロントが前線不安定を起こして渦が発生するためと考えられる。 (2)・杉本隆成-J.A.Whitehead,K.Brink,P.Wiebe etal.の共同研究 杉本は、2月下旬にサンディエゴで開かれた米国陸水海洋学会Ocean Science Meetingに出席し、その中でのCOOP(Coastal Ocean Processes)ワークショップに参加した。本ワークショップは、7月中旬にポーランドで開かれた「風による陸棚域の輸送」に関する学際的研究のワークショップの成果を踏えて開かれたものである。Woods Hole海洋研究所のK.Brink博士やオールド・ドミニヨン大学のL.Atkinson教授達を中心とする米国の沿岸、陸棚の海洋研究者が、今後の数年間にどこに重点を置いて共同研究を展開するかについて議論された。それらの情報を収集するとともに、東シナ海など日本との共同研究の接点についても意見交換を行った。その後、ウズホール海洋研究所を訪門して、黒潮沿岸域の低次生産環境に関する杉本らの日本の研究状況を招介するとともに、P.H.Wiebe,C.Davis両博士等による米国東岸のジョージス・バンクの生態系変動に関する研究や、動物プランクトンの計測・解析手法開発等の進行状況について、新しい情報を収集した。さらに、J.A.Whitehead博士、S.Hongo博士、ウズホール海洋研究所長と今後の共同研究のポイントについて種々意見交換した。 2.国際ワークショップとシンポジウム (1).根室ワークショップ 中田は9月に根室で開かれた国際ワークショップに杉本らとともに参加し、米国西岸の沿岸湧昇生態等と黒潮沿岸域生態等の構造と長期変動過程に関する比較研究のポイントについて検討し、情報交換を行った。さらに、10月には、米国シアトルで開かれたPICES(北太平洋海洋科学機構)の会議に別途費用で参加し、ウズホール海洋研究所のP.H.Wiebe博士や、米国南西海区水産研究所のJ.Hunter博士らと会って、共同研究計画の具体化を検討した。 (2).東大海洋研究所シンポジウム 1月26日に「黒潮沿岸域の変動と海水交換、魚卵稚仔輸送」に関するシンポジウムを東大海洋研究所において開催し、陸棚と外洋との海水交換に関する問題を含めて、研究成果、今後の重要研究課題について、検討した。本成果は、月刊海洋科学に特集する予定である。
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