研究課題/領域番号 |
03045045
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 大学協力 |
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
渡辺 慶一 東海大学, 医学部, 教授 (00055865)
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研究分担者 |
NABER Stepha Tufts Univ., Sch. of Med. ・Dept. of Pathol., Assistant
WOLFE Hubert Tufts Univ., Sch. of Med. ・Dept. of Pathol., Professor
堤 寛 東海大学, 医学部, 助教授 (80138643)
守内 哲也 東海大学, 医学部, 助教授 (20174394)
STEPHAN P.Na Tufts Univ., Sch.of Med.・Dept.of Pathol., Assistant
HUBERT J.Wol Tufts Univ., Sch.of Med.・Dept.of Pathol., Professor
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1993年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | p^<53>蛋白 / 大腸腺腫内癌 / 点突然変異 / in situ PCR法 / 免疫組織化学 / 抗原体賦活化 / ホメオティック遺伝子 / Hox4B蛋白 / P^<53>蛋白 / 抗源性賦活化 / Hox4B / tumor banking system / 胃癌 / 乳癌 / polymerase chain reaction / 癌抑制遺伝子 / P^<53> / heat shock protein |
研究概要 |
本年度の成果は以下の3点にまとめられる。 1)代表的癌抑制遺伝子産物であるp53蛋白を通常のパラフィン包埋切片を用いて免疫組織化学的に証明する際の至適条件を確立し、報告した。即ち、脱パラフィン切片をPBS中で90℃、120分加熱処理すると、腺癌細胞核内に発現するp53蛋白が極めて再現性よく証明された。87例の大腸腺腫内癌を対象として検討すると、71例(82%)の腺癌部分にp53蛋白陽性像を認めた。正常上皮は陰性で、異型度のつよい腺腫にも一部陽性所見が観察された(主に陽性核と陰性核の入交るモザイク状)。抗原性賦活化の程度は腺腫部分により明らかで、腺腫細胞内で、変異p53蛋白がwild-type proteinと複合体を形成している可能性が示唆された。形態学的に腺腫や腺癌を異型度別に整理して、p53のDNAおよび蛋白レベルの解析を行うことは、大腸癌の発生を追究する重要な手段となる(堤、渡辺)。 2)1993年10月にWolfe教授が来日した際、in situ PCR法の技術論に関するセミナーが催された。現在、HIV(エイズウィルス)やEBウィルスといった病原体の特異的で高感度な証明に応用され始めており、今後は、PT-PCR法によるmRNAの観察に応用されうる。方法の詳細は、1994年3月下旬に渡辺が渡米の際に、方法論の詳細を視察し、今後の展望を討論する予定である(Wolfe、Naber、渡辺、堤)。 3)ヒトホメオティック遺伝子の1つでてあるHox4B遺伝子の5'側部分とMBP蛋白DNAのリコンビナントfusion proteinを大腸菌で発現させ、これに対する抗血清およびモノクローナル抗体が作製された。免疫組織化学的なスクリーニングにより、このホメオボックス蛋白がヒト正常副腎髄質および褐色細胞腫の一部に発現していた。胎児においては、PCNA陰性細胞(たとえば、指間部組織)にHox4B蛋白が主に発現しており、programmed cell deathとの密接な関連性が示唆された。今後、厳密な抗体の特異性の確認、mRNA発現との比較を順次検討してゆく予定である(守内)。
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