研究課題/領域番号 |
03102002
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大本 洋 東北大学, 理学部, 教授 (60194304)
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研究分担者 |
掛川 武 東北大学, 理学部, 助手 (60250669)
奈良岡 浩 東京都立大学, 理学部, 助手 (20198386)
林 謙一郎 東北大学, 理学部, 助教授 (40124614)
北風 嵐 東北大学, 理学部, 助手 (90035064)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
140,000千円 (直接経費: 140,000千円)
1994年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1993年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1992年度: 20,000千円 (直接経費: 20,000千円)
1991年度: 100,000千円 (直接経費: 100,000千円)
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キーワード | 初期地球 / 大気の進化 / 海洋生物の進化 / 陸上生物の進化 / 炭素のサイクル / イオウのサイクル / 鉄のサイクル / 始生代鉱床 / 表層環境 / 生物活動 / 酸素分圧 / 硫酸還元バクテリア / 熱水活動 / 古土壌 / 溶解速度 / 微小領域 / イオウ同位体比 / 地球初期 / 元素循環 / 縞状鉄鉱床 / 超微量ガス同位体比 |
研究概要 |
約20億年以前の地球の表層環境、生物活動及び元素循環は、それ以降のものとは全く異なっていたというのが学会の通説であった。本研究は、この通説及び研究代表者によって1987年提唱された新説を検証しつつ、新しい地球観を生み出すことを目標にした。本研究においては、約38億年前〜18億年前に生成した多数の堆積岩、鉱床、古土壌の試料について、様々な地球科学的性格を詳細、系統的かつ多角的な方法で明らかにした。その結果、地球における生物と化学的進化についていくつもの重要な新しい知見を得た。例えば、(1)酸素発生型光合生成物は、海洋及び陸上において少なくとも約35億年前から活発に活動していた。(2)硫酸還元バクテリアとメタン発生バクテリアの発生は、それぞれ少なくとも約35億年前及び約28億年前に遡る。(3)少なくとも約35億年前から大気は酸素に富んでいた。(4)約23億年以前には大気のCO_2量は現在の約100倍あり、地表温度は現在より約30℃高かった。(5)約28億年前〜約23億年前の海洋においては度々広域的に深く還元的な海盆が形成され、その海盆では有用金属元素の濃集が行われた。(6)初期地球においても既に現在と同じように、炭素、酸素、イオウ、鉄、ウラン等、種々元素の汎地球的循環イクルにおける海洋及び陸上植物の役割は大きかった。 以上の新しい知見を基にして「初期地球における生物学的及び化学的進化は、従来考えられていたよりはるかに早いスピードで行われ、地球の主要構成単位(コアーマントル-地殻-海洋-大気)における種々の元素の移動量は基本的には約35億年前より平衡に保たれていた。」という新しい学説を確率することができた。
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