研究課題/領域番号 |
03102005
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中西 重忠 京都大学, 医学部, 教授 (20089105)
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研究分担者 |
重本 隆一 京都大学, 医学部, 助手 (20221294)
那波 宏之 京都大学, 医学部, 助教授 (50183083)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
237,000千円 (直接経費: 237,000千円)
1994年度: 50,000千円 (直接経費: 50,000千円)
1993年度: 50,000千円 (直接経費: 50,000千円)
1992年度: 52,000千円 (直接経費: 52,000千円)
1991年度: 85,000千円 (直接経費: 85,000千円)
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キーワード | NMDA受容体 / メタボトロピック・グルタミン酸受容体 / 遺伝子工学 / 分子多様性 / 標的遺伝子破壊 / 神経細胞死 / 記憶 / 神経情報処理機構 / グルタミン酸受容体 / メダボトロピック.グルタミン酸受容体 / 視覚系神経伝達 / 免疫組織化学 / 嗅覚系神経伝達 / 嗅覚記憶誘導 / 二次ニューロン / 受容体サブタイプ / 神経伝達制御 / イオン・チャンネル / 細胞内情報伝達系 / 発現分布 / 特異的アゴニスト / メタボトロピック受容体 / 発現部位 / 遺伝子ファミリ- / G蛋白共役受容体 |
研究概要 |
グルタミン酸受容体は、イオン・チャンネルを内在するNMDA型とAMPA-カイニン酸型の2種類のイオノトロピック受容体と細胞内情報伝達系に共役するメタボトロピック受容体(mGluR)に大別される。我々は当研究室で開発したカエル卵母細胞と電気生理学を組み合わせたクローニング法を適用し、NMDA受容体とmGluRを初めてクローン化した。その結果、NMDA受容体は、その全ての性質を有するNMDAR1とNMDA受容体の性質に多様性を与えるNMDAR2A-2Dの5種類のサブユニットからなる事、又、mGluRは、少なくとも8種類のサブタイプmGluR1-mGluR8からなり、又、各サブタイプは、発現部位、細胞内情報伝達系の違いにより、分子多様性を示すものであることを明らかにした。我々は、各受容体の高次能機能或いは機能異常における役割を明らかにする方向での研究を進め、多くの新しい事実を明らかにした。中でも、1)小脳顆粒細胞のグルタミン酸による細胞死は、NMDAR2Aの特異的な誘導によって、NMDA受容体が、過剰な刺激をうけるために起こる事、2)視覚系の明暗の分別を決定するON-OFF反応において、網膜双極細胞のmGluR6がON反応を決定する受容体である事、3)嗅覚系において、副嗅球顆粒細胞のmGluR2が、僧帽細胞の嗅覚伝達を制御する事、又本受容体が嗅いの記憶を誘導する事を明らかにした。以上の結果は、個々のグルタミン酸受容体が、神経伝達、その調節、さらに神経高次機能に特異的にかかわっている事、更に知覚系においては、二次ニューロン(双極細胞及び僧帽細胞)が、知覚の情報処理に重要な役割を果たしている事を分子レベルで初めて明らかにしたものである。
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