研究課題/領域番号 |
03151002
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
牧田 章 北海道大学, 医学部, 教授 (60004561)
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研究分担者 |
矢沢 伸 群馬大学, 医学部, 講師 (10008386)
宮城 妙子 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助教授 (50006110)
成松 久 創価大学, 生命科学研究所, 教授 (40129581)
谷口 直之 大阪大学, 医学部, 教授 (90002188)
山科 郁男 京都産業大学, 工学部, 部長 (70025675)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
15,800千円 (直接経費: 15,800千円)
1991年度: 15,800千円 (直接経費: 15,800千円)
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キーワード | 癌 / 糖鎖合成酵素 / cDNAクロ-ニング / mRNA / 遺伝子調節 / 糖脂質硫酸化酵素 / 蛋白キナ-ゼ / 血清酵素 |
研究概要 |
1.アスパラギン糖鎖のbisectを形成するGlcNAc転移酵素III(GnT III)をラット腎から精製した。この酵素の部分アミノ酸配列に基づきcDNAをクロ-ニングし、酵素蛋白(62KDa)の一次構造を推定した。その結果、N端近傍に膜貫通領域があり、構造既知の糖転移酵素と全体的構造は似ているが、一次構造上のhomologyはなかった。このcDNAをCOSー1やHeLa細胞にトランスフェクトして活性の発現を確かめた(論文投稿中)。GnT IIIは肝癌や胎児肝では発現していたが、成人肝ではしていなかった。2.癌患者体液に出現することが知られているβ1ー4Gal転移酵素(GT)の変異型(GTーI)の本態を明らかにした。即ち、先ずGTーIに特異的なモノクロン抗体を作製した。GTのcDNAの様々な欠損変異株をE.coliで発現し、GTーI抗体で検索した。その結果、GTーIはN端側の膜貫通領域を欠失した酵素であること、GTーI抗体は欠失酵素のN端側をエピト-プとすることが分かった。これによって、患者から精製したGTーIの特異な性質との対応が明らかになった。3.ヒト腎細胞癌で亢進する糖脂質硫酸化酵素は、細胞レベルで蛋白キナ-ゼC(PKC)の阻害剤やTPAによって著明な活性低下が起きた。TPAの作用はPKCをdownregulateする結果とみられ、本酵素の発現はPKCによって調節されることが分かった。他方、本酵素はEGFによって上昇するが、PKC阻害剤やTPAで前処理すると上昇はみられず、EGFによる誘導効果もPKCを介することを見出した。4.ラット肝癌や悪性変換細胞では共通して2→6シアル酸転移酵素が亢進する。癌では本酵素のmRNAはサイズ、量とも正常と大差はないが、本酵素蛋白は自己シアル酸化と部分ペプチドの解離を受けた活性型が癌で増加しており、翻訳後修飾が癌で本酵素の活性化をもたらす。
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