研究課題/領域番号 |
03151033
|
研究種目 |
がん特別研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池永 満生 京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (70025378)
|
研究分担者 |
許 南浩 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70173573)
峯浦 一喜 秋田大学, 医学部, 講師 (70134103)
作見 邦彦 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (50211933)
綾木 仁 京都大学, 放射線生物研究センター, 助手 (80222701)
中別府 雄作 九州大学, 医学部, 助手 (30180350)
|
研究期間 (年度) |
1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
1991年度: 17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
|
キーワード | メチル転移酵素 / アルキル化剤 / ヒト腫瘍細胞 / Mer^ー形質 / 遺伝子発現制御 / 選択的化学療法 |
研究概要 |
〔研究の目的〕 アルキル化剤による主要なDNA損傷であるO^6ーアルキルグアニンはメチル転移酵素(MGMT)によって修復される。ヒト正常組織の細胞は全てMGMT活性を有するが、腫瘍細胞の中には約25%という高い頻度で酵素活性を欠損しているMer^ー株が存在する。Mer^ー細胞は制がん剤CNUに著しく感受性が高いので、選択的化学療法の可能性が考えられる。本研究では、MGMT遺伝子の発現制御機構の分子生物学的研究、ヒトMGMTに対する抗体の作製などを中心として、新しい視点に立脚した化学療法の発展のための基礎研究を行なう。 〔研究成果〕 1.約20種類のヒト腫瘍細胞株を用いて、MGMTのmRNAの発現をノザンブロットで解析した。Mer^+細胞は全てmRNAを発現しているのに対して、全てのMer^ー細胞ではmRNAが検出されなかった。従って、Mer^ー細胞ではMGMT遺伝子は正常に存在するが、何らかの機構でmRNAの発現が抑制されていると考えられる。 2.全長が約200KbのMGMTのゲノム遺伝子を単離して、プロモ-タ-領域を同定した。シトシンのメチル化の程度を解析した所、プロモ-タ-領域およびコ-ディング領域ともに、Mer^+細胞ではメチル化され、Mer^ー細胞ではメチル化されていなかった。従って、MGMT遺伝子の発現は、メチル化によって調節されている可能性が示唆される。 3.ヒトMGMTのcDNAを大腸菌で大量に発現させ、このヒトの酵素を精製してこれに対する抗体を作製した。今後は、この抗体を用いてヒト腫瘍組織レベルでMer^ー腫瘍を検出する方法を開発する。 4.ラットに移植した脳腫瘍のモデル系でアルキル化剤の効果を調べた。予想通り、ACNUはMer^ー腫瘍により有効であった。
|