研究課題/領域番号 |
03151036
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 正治 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (00026931)
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研究分担者 |
小川 恭弘 高知医科大学, 助教授 (90152397)
安藤 興一 放射線医学総合研究所, 臨床研究部, 室長 (00159526)
母里 知之 東海大学, 医学部, 教授 (70055896)
新部 英男 群馬大学, 医学部, 教授 (90008293)
坂本 澄彦 東北大学, 医学部, 教授 (20014029)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
1991年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
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キーワード | 放射線治療 / 生物学的応答修飾物質 / BRM / 放射線増感剤 / BRM併用放射線治療 / 放射線効果増強 / がん転移抑制 |
研究概要 |
放射線治療にBRMを併用して転移抑制と生存率向上の効果を期待するためには、局所制御を得ることが第一義的であった。しかし、一方では局所制御を得るために照射線量をある程度以上に増すと肺転移が促進され、BRMが無効となる腫瘍もあることが分かった。したがって、免疫系に影響を与えず、照射線量を減らしても局所効果を高め、そらに分化誘導能をもたせた多機能な増感剤を開発した。これは、細胞内NPSHを減少させること、それ自身にも転移抑制効果を有していることが分かった。BRMの一種、MCXは弱いながらも殺細胞効果を有する。MCXを分析した結果、この効果は遷移金属とポルフィリンの錯体、タンパク質からなるヘムタンパク(Soret帯に一致する吸収帯)類似の遷移金属酵素であることが分かった。数種類のBRMについて放射線との併用効果を検討した(in vivo)。局所的には放射線効果が大きいために、ip投与ではその局所の修飾効果が認められないか、認められてもわずかであるが、it投与では有意に修飾することが多い。ipでも、低線量TBI(0.15Gy)に併用するか、あるいは増感剤(RPー170)と併用すると局所効果をさらに増強し、それに伴って転移抑制と生存率の著明な向上が認められた。以上のような方法に併用するか、あるいは成長の遅い腫瘍(ラットのヨ-クサック腫瘍)の照射に併用することによってBRMの効果(特に転移抑制、生存率の向上)を期待することができる。しかし、生体の免疫応答を変えることによって照射効果がかえって損なわれる腫瘍があること、投与量に依存せず、照射とのtimingやsequenceに微妙に影響を受けるなど、BRM併用効果の複雑な多様性が浮き彫りにされた。GーCSFの顆粒球減少に対する回復効果は明らかであった。増殖が促進された骨髄有核細胞の放射線感受性は正常のものと差がないので(CFUーS)、分割照射に同時に併用しても問題はなかった。
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