研究課題/領域番号 |
03151037
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
永田 和宏 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (50127114)
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研究分担者 |
渡辺 正己 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (20111768)
畑山 巧 京都薬科大学, 医学部, 助教授 (10094484)
大塚 健三 愛知ガンセンター研究所, 研究員 (40150213)
平岡 真寛 京都大学, 医学部, 講師 (70173218)
矢原 一郎 東京都臨床医学総合研究所, 細胞生物学研究部門, 部長 (60109957)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
1991年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
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キーワード | 熱ショック蛋白質 / ストレス蛋白質 / 温熱療法 / 温熱耐性 |
研究概要 |
当研究班の目的は、温熱療法の際に出現する温熱耐性の機構を探り、それを基礎として温熱耐性誘導を抑えること、もって温熱療法のより効果的な運用方法を探ることにある。そのような目的のため、熱耐性を担っていると考えられている熱ショック蛋白質に焦点を絞り、熱ショック蛋白質の誘導機構、また熱ショック蛋白質の誘導阻止、および温熱感受性の修飾剤の効果を探ることを当面の目標としている。 本年度の成果として、次のようなものがあげられる。 コラ-ゲンに結合性を持ち、細胞のトランスフォ-メイションに感受性をもつ新しい熱ショック蛋白質HSP47の機能が永田らによって明らかにされた。すなわち、HSP47は合成直後のプロコラ-ゲンに小胞体内腔において結合し、その成熟、プロセシングあるいはゴルジ装置への輸送のいずれかに関与する。ゴルジ装置に到達する前に、輸送小胞内のpHが低下することによってプロコラ-ゲンを解離し、自身は逆輸送小胞に乗って、小胞体へ帰ってくる。このようにHSP47は、コラ-ゲンに特殊性を持った分子シャペロンであると考えられた。 大塚、永田らによって発見されたHSP40が、大腸菌のストレス蛋白質DnaJのホモロ-グであることが明らかになった。HSP40は、通常は細胞質内に存在するが、熱ショックなどによって核小体へ移行することも明らかにされた。矢原らは、HSP90とカゼインキナ-ゼII(CKII)との複合体形成を、それぞれの精製標品を用いて試験管内で証明した。CKII自体は低塩濃度緩衝液中でポリマ-を形成し沈殿するが、この沈殿にHSP90を加えると、8S複合体として可溶化された。また、畑山らは、細胞を通常の培養温度より低温で培養することにより、熱ショック応答がかかりにくくなることを報告した。
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