研究分担者 |
八木 孝司 京都大学, 医学部, 助教授 (80182301)
二階堂 修 金沢大学, 薬学部, 教授 (60019669)
三浦 直行 大阪大学, 細胞工学センター, 教授 (40165965)
石崎 寛治 京都大学, 放射線生物研究センター, 助教授 (70111987)
榎本 武美 東京大学, 薬学部, 助教授 (80107383)
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研究概要 |
色素性乾皮症(XP)の遺伝子とタンパクの異常や修復欠損機構について研究し,(1)A群XP遺伝子の遺伝性突然変異はイントロン3のスプライシング変異,エクソン6のArg^<238>のノンセンス変異,エクソン3のTyr^<116>のノンセンス変異がそれぞれ85%,13%,4%に見られ,遺伝子診断が可能となった。(2)正常XPACタンパクは40,38Kの核蛋白で,DNA結合性タンパクであるが,XPA細胞では異常なmRNAと欠損もしくは異常タンパクが見られ,人工改変したXPAC遺伝子(3'側の改変)は導入したXPA細胞で修復欠損を示した。(3)C群XPについて,FPLCモノQカラムによるDNA依存性ATPase活性を分離定量する系を用いると,XPC細胞に共通した,核局在性の75K ATP^<ase> Q1の溶出位置の異常が見られ,その酵素もしくは複合する蛋白の異常が示唆された。微小核融合法でXPCを相補する染色体のマッピングを行い,1,2,6,7,8,10,11が現在除外され,染色体同定実験が続行している。(4)ヒト正常cDNAライブラリ-の導入によって,現在XPOを相補するcDNAクロ-ンが得られつつあり,PCR増巾断片を用いてneo発現をするpCD2から再クロ-ニングされつつある。(5)XPの修復欠損や修復因子を解析するために,UV損傷の2量体と(6ー4)産物に対する特異的単クロ-ン抗体を樹立し,XP各群の修復欠損やXPAC遺伝子導入細胞における修復の回復が定量できた。(6)細胞修復因子とプラスミドDNAを用いたin vitro DNA修復系が確立され,再構成系を用いて除去修復の機構や因子の作用が研究できるようになった。(7)日本人XPの中で欧米よりも頻度の高いE群XPには,UV損傷DNAに特異的に結合する蛋白を正常にもつものともたないものが分別され,前者が圧倒的に多い。(8)UV誘発遺伝子突然変異が分子解析され,G:C→A:T変異が主で,塩基配列や損に依存し,変異ホットスポットが検出された.
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