研究課題/領域番号 |
03151043
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田原 榮一 広島大学, 医学部, 教授 (00033986)
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研究分担者 |
豊島 秀男 東京大学, 医学部, 助手 (20197966)
河野 通明 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (00027335)
伊藤 文昭 摂南大学, 薬学部, 教授 (80111764)
春日 雅人 神戸大学, 医学部, 教授 (50161047)
清水 信義 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50162706)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
18,800千円 (直接経費: 18,800千円)
1991年度: 18,800千円 (直接経費: 18,800千円)
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キーワード | 増殖因子 / GCF / 転写因子 / FGF / cーmet / cripto / PDーECGF / インスリン受容体 / チロシンキナ-ゼ |
研究概要 |
GCF(GC rich配列結合蛋白)は、異なった複数の増殖因子・受容体(TGFα,EGF受容体,ERBB2,FGF受容体ー1)遺伝子プロモ-タ-に結合し、それらの遺伝子発現を抑制する負の共通した転写因子であることが実証され、更に、GCF遺伝子導入胃癌細胞株では、TGFα・ERF受容体の減少とともに、癌細胞自己増殖の著しい減少がin vitro,in vivoで確認された(田原)。次に、ヒト肝細胞増殖因子(HGF)遺伝子は染色体7q21.1に位置すること(清水)、また同じ7qに存在するHGF受容受体遺伝子cーmetの異常(欠失、増幅)は胃癌に頻発すること、cーmet mRNA 6.0kb transcriptは胃癌細胞のみに発現して、その進展・転移とよく相関することなどか明らかにされた(田原)。又、HGFによって胃癌細胞株の増殖促進、cーmet蛋白の自己リン酸化、プログタグランジン産生などが惹起され(田原、伊藤)、更に種々のペプチド増殖因子によって誘導される細胞質41k,43k蛋白質チロシンリン酸化をもHGFによって起きることが示された(河野)。新しいEGF関連遺伝子、criptoの臓器別発現では、甲状腺、腸、腎に高く、腫瘍では大腸癌、高分化胃癌に特徴的に高い発現を示し、その進展と相関することが明らかにされた。又、血小板由来血管内皮細胞増殖因子(PDーECGF)は、ヒト肝実質細胞と肝細胞癌に特異的に発現しており、肝実質細胞の自己増殖因子である可能性が示唆された(豊島)。インスリン受容体を介するシグナル伝達系に関しては、siteーdirected mutagenesisの手法を用いて、各種の変異受容体を作製してその機能を検討した結果、インスリン受容体のレベルで各種インスリン作用が分岐している可能性が示され(春日)、更にヒトKB細胞ではインスリンがEGF依存性増殖を抑制し、一方、TGFβ1もEGF依存性増殖を阻害するが、インスリン依存性増殖には大きな影響を及ぼさないことが明らかにされた(天野)。
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