研究課題/領域番号 |
03151065
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)癌研究会 |
研究代表者 |
北川 知行 (財)癌研究会, 癌研究所, 副所長 (50085619)
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研究分担者 |
白井 智之 名古屋市立大学, 医学部・病理第1, 助教授 (60080066)
広橋 説雄 国立がんセンター研究所, 病理, 部長 (70129625)
佐藤 清美 弘前大学, 医学部・生化学第2, 教授 (50006079)
酒井 正春 北海道大学, 医学部・生化学第1, 助教授 (50162269)
小川 勝洋 旭川医科大学, 病理第1, 教授 (50045514)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
21,500千円 (直接経費: 21,500千円)
1991年度: 21,500千円 (直接経費: 21,500千円)
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キーワード | 多段階発癌 / 癌関連遺伝子 / 発癌のプログレッション / マ-カ-酵素変異 |
研究概要 |
北川はSV40ーT抗原遺伝子導入マウスの多段階肝発癌過程を詳細に詳べ、Hーras活性化が比較的後期の腫瘍のプログレッションに伴って生じるイベントであることを明らかにした。小川は多数のラットおよびマウスの肝腫瘍を検索し、p53の活性化は全くみられないこと、活性化が生じるのは培養系のみであることを示した。酒井はGSTーP遺伝子の活性化に、Jun/Fos以外の因子によるル-トがあることを、DEXによる阻害の有無により明らかにした。佐藤はペルオキシゾ-ム増殖剤で誘導したラット肝腫瘍では、ペルオキシゾ-ム自体の誘導性が低下していることを見出した。広橋はヒト肝癌の結節内結節において、組織学的なプログレッションに伴いp53の活性化があること、またヒト肝癌ではbFGFの発現増強があることを明らかにした。白井はEBBN誘導のラット膀胱癌の6/7にHーrasの高い発現があり、それは前癌病変の一部にもみとめられていることを示した。堤はBHPによるハムスタ-膵癌に高率(6/7)にkーrasの活性化があり、前癌病変の一部にも既に活性化はあること、また同時に誘導された胆管癌にはそれがみとめられないことを明らかにした。難波は4NQOによるくり返し処理により、ヒトの線維芽細胞を不死化することに成功した。SV40による不死化を除くこと、ヒト細胞の不死化はきわめてまれな成功例である。神谷はラットの正常乳腺細胞株KNFG1ー3より移植中に自然発生した乳癌株C16ーT、および活性化ras導入によりKNG1ー3株を作った。後者は癌だが、非免癌的メカニズムで自然退縮する。これらはプログレッション解析のよいモデルになると期待される。
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