研究課題/領域番号 |
03151074
|
研究種目 |
がん特別研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
長尾 美奈子 国立がんセンター研究所, 発がん研究部, 部長 (40100151)
|
研究分担者 |
中村 敏一 九州大学, 理学部, 教授 (00049397)
石川 隆俊 東京大学, 医学部, 教授 (30085633)
津田 洋幸 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 助教授 (10163809)
江角 浩安 国立がんセンター研究部, 生化学部, 部長 (70160364)
石坂 幸人 国立がんセンター研究所, 発がん研究部, 室長 (90184514)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
1991年度: 14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
|
キーワード | 食品中発がん物質ヘテロサイクリックアミン / IQによる扁平上皮がん / ラット大腸がん / ラット腎細胞がん / ras遺伝子 / p53遺伝子 / ウサギ腎芽腫 / WT遺伝子 |
研究概要 |
ヒトがん誘発における食品中の発がん物質ヘテロサイクリックアミンの関与を追究する目的で、これらの化合物で誘発された実験動物がんにおけるrasおよびp53遺伝子変異のパタ-ンを解析した。IQ誘発ラットジンバル腺扁平上皮がんでは、6例全例でrasファミリ-遺伝子に変異があったが、その変異部位は多岐に亘っていた。Hーrasコドン13の変異が3例、コドン61が1例、Kーrasのコドン12が2例であった。p53遺伝子変異は、扁平上皮がん13例中4例に検出された。その変異はコドン156,174,214および256であったが、いずれもグアニンが関与しており、G→Pyまたは欠失変異であった。p53変異に関しては、さらに例数を増やして、変異コドンに特異性があるか否か今後検討する必要がある。なおラットのがんにおけるp53の関与が、はじめて明らかにされた。IQ,Gluーpー1およびPh1Pで誘発されたラット大腸がん計31例のうちKーrasに変異を有していたのは1例であった。また、p53遺伝子変異は解析した21例の大腸がんいずれにも検出されなかった。ヒト大腸がんの場合も約50%はKーras変異を伴わないし、また30%はp53変異を伴わない。そのようなな大腸がんで関与している遺伝子変異を解析するのに、ヘテロサイクリックアミンで誘発されたラット大腸がんの系は適していることが解った。 ニトロサミンEHENで誘発したラット腎細胞がん8例、腺腫9例ではrasファミリ-遺伝子およびp53遺伝子の変異は検出されなかった。ヒト腎細胞がん8例でもrasおよびp53変異は検出されなかった。ラット腎がんはヒト腎がんと共通の遺伝子が関与している可能性がある。 ウナギに自然発生した腎芽腫におけるWT遺伝子の関与を追求する目的でウナギからWT遺伝子をクロ-ニングしている。腎芽腫におけるWT遺伝子変異を追究している。
|