研究分担者 |
野田 亮 (財)癌研究会癌研究所, 部長 (30146708)
伊庭 英夫 東京大学, 医科学研究所, 教授 (60111449)
蛯名 洋介 徳島大学, 酸素科学センター, 教授 (00112227)
山本 正幸 東京大学, 理学部, 教授 (40114706)
野沢 義則 岐阜大学, 医学部, 教授 (10021362)
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研究概要 |
1.細胞膜近辺の現象の解析ーPI3キナ-ゼの85Kサブユニットがインスリンリセプタ-チロシンキナ-ゼでリン酸化されることが判明した。rasを移入したDT細胞ではブラジキニンによる刺激でIP3による一過性のCa2+の上昇に続く周期的なオシレ-ションが見られた。これはThy1(+)の細胞でのみみられ,(ー)細胞では見られず,PKCの活性化でも抑制された。また,MAPキナ-ゼがM期でも活性化され,M期の微小管の構築に重要な役割をはたし,220Kの微小管結合タンパク質がカエル卵ではリン酸化されることが示された。MAPキナ-ゼはセリントレオニンキナ-ゼでリン酸化されて活性型に変化するが,このキナ-ゼが分子量45Kのリン酸化蛋白質であることを明らかにした。また,MAPキナ-ゼは細胞質と共に核にも存在するので,核における機能が注目される。I型の神経線維腫症の原因遺伝子が分子量235Kの蛋白質で,rasGTP分解活性を促進する因子として同定された。カルシウム非依存性の新しいPKCを発見し,これが皮膚に特異的に存在することを明らかにした。PKCβ遺伝子の5'上流域の構造を決定し,その機能の解析から,PKCβの細胞に特異的な発現に関係するシス因子と,これに結合するトランス因子の存在を明らかにした。 2.核内でおこる現象の解析ーFos関連遺伝子の1つとして発見したFraー2の機能をcーFosと比較して検討した。F9細胞ではFosはJunと結合して転写を活性化するが,Fraー2はJunDと結合すると活性化するが,cーJunと結合すると抑制することを明らかにした。また,cーJunやFosはいずれもカルパインのよい基質で,プロテア-ゼが転写因子の量を通じて転写を制御することを明らかにした。
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