研究課題/領域番号 |
03151078
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
安藤 俊夫 愛知県がんセンター研究所, 生化学部, 部長 (20012693)
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研究分担者 |
河野 公俊 大分医科大学, 生化学, 助教授 (00153479)
小祝 修 愛知県がんセンター研究所, 生化学部, 主任研究員 (50132923)
加藤 潤一 東京大学, 医化学研究所, 助手 (10194820)
筒井 研 岡山大学, 医学部, 助教授 (70108158)
広瀬 進 国立遺伝学研究所, 遺伝情報センター, 助教授 (90022730)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
1991年度: 17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
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キーワード | DNAトポイソメラ-ゼ / 核マトリックス / ス-パ-コイル / 薬剤耐性 / 化学療法 |
研究概要 |
真核生物のDNAは核マトリックスと呼ばれるDNAトポイソメラ-ゼ(トポ)IIを含む数種類の不溶性タンパク質から成る核内構造体と結合し、多数のル-プを形成している事が示されている。そしてマトリックスに結合するDNA部分(MAR)にはトポIIの結合配列が存在する。我々はMARを特異的に結合する120KDのタンパクのcDNAをクロ-ン化し配列を決定した。このタンパク質はDNA結合性のRGドメインとATPase活性を持つPル-プドメインから成っていた。ル-プDNAに超ラセンを導入するsupercoiling factor(SCF)がクロ-ン化され配列決定された。25%が酸性アミノ酸より成り、ジャイレ-スと相同部位、カルシュウム結合部位等が同定され、そのin vivo機能の解明が待たれる。ヒトトポIタンパクの機能部位の解析がなされた。765アミノ酸のうち、第231番から727番までの497アミノ酸残基が必須領域であり、中でも533番のアスパラギン酸は活性にとって重要である事が欠失変異及びカンプトテシン(CPT)耐性変異トポIの解析から示された。マウストポ及びトポIIがクロ-ン化され配列が決定された。その配列はそれぞれヒトトポIと96%、ヒトトポIIと89%の相同性であり、哺乳類間の著しい保存性の高さを示した。トポIIの機能に関して次の事が示された。トポIIは酵母のみならず哺乳類においても、染色体の凝縮と分離においてのみ細胞生存にとって必須の機能を果たしている事がトポIIの非切断性阻害剤によって初めて示された。また細胞周期においてトポIIが核内及び染色体上で著しくその局在性を変化させるという事実(モノクロ-ン抗体)も上記を裏付けている。トポI及びIIの特異的な阻害剤CPT及びVPー16に対する耐性細胞の研究において、それぞれ、酵素遺伝子の変異及び発現低下による耐性獲得である事が示された。
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