研究課題/領域番号 |
03152011
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西平 哲郎 東北大学, 医学部, 講師 (50101142)
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研究分担者 |
益子 高 東北大学, 薬学部, 助手 (30157200)
大内 憲明 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (90203710)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1991年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 抗癌剤 / モノクロ-ナル抗体 / 乳癌 / タ-ゲッティング療法 |
研究概要 |
AM3はヒト乳癌細胞株HMA1を免疫源として作製されたマウス単クロ-ン抗体で、分子量20万以上の高分子糖蛋白を認識する。本抗体が認識する抗原は既存の抗体が認識する抗原と異なることをエピト-プ・マッピングにより確認中である。本研究ではとくにAM3を用いたタ-ゲッテイング療法の可能性を検討することを目的とした。その結果、 1)cisーaconitic acid(cAA)を架橋剤としてAM3とAdriamycinの複合体(cAAーAM3)を作製した。cAAーAM3のMolar substitution平均率は10.0〜23.8で、アルカリ条件下で比較的安定しているが、pHの低下に伴い解離しやすく、pH感受性の薬剤抗体結合物であることを確認した。 2)cAAーAM3の培養細胞株に対する反応(Indirect fluorescence binding assay)はAM3単独の細胞株に対する反応にほぼ一致し、薬剤結合による抗原特異性の変化はみられなかった。またAM3単独との競合アッセイにより、cAAーAM3と抗原との親和力が非修飾抗体のそれと同等であり、薬剤結合における活性保持が確認された。 3)培養細胞、ヒト末梢血リンパ球に対するcAAーAM3の細胞障害性の検討により、cAAーAM3がAM3抗原発現細胞に対し選択的細胞障害活性を示すことを確認した。 したがって、in vitroにてcAAーAM3は乳癌細胞株に対する選択的な細胞破壊作用、アミノ酸取込み抑制を示した。本研究によりcAAーAM3を用いた乳癌に対するタ-ゲッテイング療法の可能性が示唆された。今後、さらにcAAーAM3のin vivoにおける細胞障害性を検討し、薬剤結合モノクロ-ナル抗体の抗腫瘍効果を確認する予定である。
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