研究課題/領域番号 |
03152016
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴木 磨郎 東北大学, 抗酸菌病研究所, 教授 (90006081)
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研究分担者 |
丹田 滋 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助手 (90207259)
齋藤 祥子 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助手 (00125551)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1991年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | リンパ節転移巣 / 腫瘍血流特性 / リンパ循環特性 / アンギオテンシン昇圧 / SNP降圧 / ドラッグデリバリ-・システム |
研究概要 |
アンギオテンシンII(A II)による昇圧は腫瘍血流のみを増加せしめ、また降圧剤による一定の低血圧は腫瘍血流のみを停止せしめるが、この腫瘍血管の特性の利用は抗癌剤の新しいデリバリ-・システムの開発を可能にしてきた。この腫瘍血管特性は血流のみならず、腫瘍の所属リンパ節に流入するリンパ流にも大きな影響をもたらす。本研究は昇圧および降圧によりリンパ節転移巣におけるリンパ流の変化の定量とドラッグ・デリバリ-について検討したものである。ラットの耳介に腫瘍を移植し作成した頚部リンパ節転移巣において、A II昇圧時およびSNP降圧時の血流とリンパ流とを電解式水素ガスクリアランス法の変法を工夫して計測した。昇圧によりリンパ節転移巣の血流は他臓器での増殖巣におけると同様に増加するが、昇圧1〜2分後にリンパ流の増量が認められた。しかし、転移巣に流入するリンパ流量は耳介の腫瘍の大きさと転移巣の大きさとの関係により異なった。また、降圧時には腫瘍血流は殆ど停止し、リンパ流も著明にに減少した。昇圧時には、血行性とリンパ行性の相加により、リンパ節転移巣への抗癌剤の到達量の亢進がみられ、化学療法効果の増強が認められた。昇圧と降圧の組み合わせによる薬剤の組織内濃度×滞留時間の検討は原発巣では完了したが、リンパ節転移巣においては検討中である。腫瘍血管形成の研究と腫瘍の微小循環学的解析を基礎的に行っているが、本研究はそれらの研究成果と相俟ってリンパ節転移巣の対策に貢献するものと考える。とくに、リンパ節転移巣を標的とする術前化学療法に有用といえる。
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