研究課題/領域番号 |
03152022
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
谷口 克 千葉大学, 医学部, 教授 (80110310)
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研究分担者 |
古関 明彦 千葉大学, 医学部, 助手 (40225446)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1991年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 腫瘍内T細胞レパトア / PCR / T細胞抗原受容体 / TCRV領域 |
研究概要 |
目的:腫瘍内浸潤T細胞レパトアを解析し、腫瘍拒絶をおこすものと免疫系からエスケ-プし、個体死に至る腫瘍との間に免疫系にどのような質的差が生ずるのかを分子生物学的に解析することを試みた。成果:1.Inverse二段階PCR法:腫瘍内浸潤T細胞レセプタ-・レパトアを知るために個体中のレパトアの比率を変えることなる増幅し、定量するとともに塩基配列を決定するシステムを開発した。腫瘍塊からRNAを抽出しcDNA合成したのち環状cDNAを作成、二段階PCR法を行なったのち、どのα鎖、またはβ鎖が発現しているか定量化することが出来た。さらに、塩基配列の決定も可能であった。2.腫瘍内浸潤T細胞レパトアの解析:腫瘍拒絶を起こすFBL3腫瘍と免疫系からエスケ-プし腫瘍死させるB16メラノ-マ腫瘍浸潤T細胞レパトアをInverse二段階PCR定量的PCR、RNaseプロテクション法を用いて解析した結果、FBL3では(1)2〜3個のホモジニアスなT細胞レセプタ-β鎖が高頻度に使用され、これはキラ-T細胞のものと同じものであった。(2)その中でも特に頻度高く使用されているVβ10は、腫瘍内では所属リンパ節に比して500〜1000倍も高頻度である。(3)認識に関与しているのはβ鎖のうちVβDβ領域と思われる。一方メラノ-マでは(1)Vα11Jα281やVα14Jα281鎖をもつクロ-ンが高頻度に検出された。(2)Vα11Jα281は正常マウスの末梢でもVα11の26%を、Vα14Jα281はVα14の97%をしめるほどすでに増殖しているT細胞であった。(3)このT細胞は抑制活性をもちアロキラ-T細胞での誘導を100%抑制した。このことから、免疫系からエスケ-プする腫瘍と腫瘍拒絶を起こすものとの間で反応するT細胞レパ-トアが質的に異なることが示唆された。
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