研究課題/領域番号 |
03152041
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
岡安 勲 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (20014342)
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研究分担者 |
大草 敏史 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50160445)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / 大腸癌 / 発癌促進作用 / 慢性臓器炎 / 炎症性肉芽 |
研究概要 |
研究成果: デキストラン硫酸(DS)(Ames試験陰性)をマウスに経口投与することによって誘導される潰瘍性大腸炎モデルを使って、以下の如き成果を得た。 1)大腸発癌剤アゾキシメタンの前投与と慢性潰瘍性大腸炎モデル(DSの間欠投与)の組合せによって大腸に高分化腺癌が出現した。2)本実験モデルにおいて、慢性下痢では大腸癌が出現せず、大腸発癌には粘膜糜爛が必須の条件であった。3)潰瘍性大腸炎病変が強く、またBrdU取り込みからみた上皮細胞再生の盛んな左側結腸、横行結腸に大腸癌が多発した。4)大腸癌の早期病変の観察から、癌が炎症性肉芽の中に一腺管一癌組織として出現し、これが増殖して隆起性腫瘍を形成することが認められた。5)長期観察から、癌組織は粘膜下層に浸潤して粘液癌を形成することが判明した。 考察、反省、今後の展望: 1)二段階発癌説における大腸発癌のイニシエ-ションとしてアゾキシメタンを使用すると潰瘍性大腸炎による粘膜上皮の壊死と再生はそのプロモ-ションと考えられる。2)今後、潰瘍性大腸炎における腸内細菌・腸内胆汁酸の変化がこの大腸発癌にどの様に関与しているか、また潰瘍性大腸炎がイニシエ-ションとして作用している可能性の有無、など本大腸発癌モデルを使用してヒト発癌に関わる基礎的研究が可能である。
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