研究課題/領域番号 |
03152058
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小林 猛 名古屋大学, 工学部, 教授 (10043324)
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研究分担者 |
飯島 信司 名古屋大学, 工学部, 助教授 (00168056)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1991年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | ハイパ-サ-ミア / 癌治療 / 磁性微粒子 / ドラッグデリバリ- / 温熱療法 / モノクロ-ナル抗体 |
研究概要 |
1.本研究により作製された機能性磁性微粒子(マグネットリポソ-ム)の高周波磁場中での発熱特性を調べるため、生体模擬材料(ファントム)を用いて発熱実験を行った。ファントムには4%寒天ゲルブロックを用い、ブロックの中心の発熱部位(癌組織)に6.0mg/mlのマグネトリポソ-ムを共存させた。出力は240V、6.6A、周波数232kHz、磁場100Gaussで行った。定常状態の温度分布から発熱部位の発熱量を計算したところ45600W/m^3、マグネトリポソ-ム1gあたり108cal/minであった。この値は先に報告した別の方法で求めた値(200Gaussで150cal/min・g)と比較して妥当であると言える。この値を用いて、癌治療のコンピュ-タ-シミュレ-ションを二次元非定常熱伝導方程式を用いて行った。その結果患部の昇温には患部血流量と腫瘍のサイズが大きく影響することがわかった。例えば2cm角の脳腫瘍を42℃以上に保つためには、腫瘍内に6.0mg/mlのマグネトリポソ-ムを送り込み、200Gauss、500kHz程度の磁場が必要となることがわかった。 2.マグネトリポソ-ムの培養癌細胞への吸着およびその取り込みについて調べた。細胞にはヒト大腸癌細胞株BM314を用い、マグネトリポソ-ムに固定化する抗体としてerbBー2産物に特異的に吸着するマウスモノクロ-ナル抗体を用いた。細胞を37℃でマグネトリポソ-ムを培地に加え培養後、細胞をグルタルアルデヒドにより固定し、電子顕微鏡観察及び元素分析を行った。その結果、細胞表面に吸着、貧食作用により細胞内に取り込まれていることを確認した。
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