研究概要 |
JHプロ-ブを用いてt(11;14)型細胞株のゲノムのNAをクロ-ニングし、JHとハイブリダイズする3種の制限酵素消化断片を単離した。そのうちの1種では、JH4上流域が未知の非14番染色体領域に置き代っていた。ヒトーマウスハイブリド-マのサザン解析は、これがヒト11番染色体由来であることを示した。さらに、この未知領域をプロ-ブとしてヒト胎盤DNAから胚細胞型11番由来DNA断片を単離した。これらの塩基配列を調べると、JH4への再構成したDQ52に11番染色体が転座していた。さらに、数10bpのNーsequenceを伴うことや、11番染色体部位の近傍に7merおよび9mer認識配列に類似の配列があることからrecombinase errorによる転座が示唆された。転座部位の11番由来断片には数100bpのopen reading frameがあった。この部をプロ-ブとしてt(11;14)型細胞株のRNAノザン解析で、2.0kb,9kb,13Kbのバンドが検出され、転写活性のあることで確認した。t(11;14)型細胞株のpolyA^+RNAより作成したcDNAライブラリ-をスクリ-ニングして異常サイズのCu cDNAクロ-ンを得た。現在、cDNAのスクリ-ニングおよびそのクロ-ンの解析を行っている。 今回、単離した11番由来のPNA断片は、塩基配列の比較から既知の遺伝子ではないことがわかった。最近、11q13領域より分離されたcyclin遺伝子のひとつであるPRAD1の塩基配列やmRNAのサイズとも豊っている。今後、bclー1 locusやPRAD1geneとの物理戸位置関係を求め、リンパ腫発生に関わる転座の意色を決定したい。
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