研究課題/領域番号 |
03152070
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田中 亀代次 大阪大学, 細胞工学センター, 教授 (80144450)
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研究分担者 |
三浦 直行 大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (40165965)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1991年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | DNA修復 / Znフィンガ- / DNA結合蛋白 / 色素性乾皮症 / 蛋白複合体 |
研究概要 |
A群色素性乾皮症遺伝子(XPAC遺伝子)は、そのcDNAの塩基配列の解析より、C_4タイプ、H_2 C_2タイプのZnフィンガ-モチ-フをもつことがわかり、XPAC蛋白はDNA結合能をもつことが示唆された。そこで、XPACcDNAと大腸菌内で発現させ、組換えXPAC蛋白を精製し、ゲルシフト法にてそのDNA結合能を調べた。プロ-ブは、8つの連続したチミンをもつSV40エンハンサ-・プロモ-タ-由来の65bpのオリゴヌクレオチドであり、UV照射して、あるいは未照射のまま使用した。その結果、組換えXPAC蛋白はこれらのDNAに結合することが明らかになったが、UV照射したDNA、一本鎖DNA、二本鎖DNAに特異的によく結合するということはなかった。次に、XPAC蛋白のDNA修復能におけるZnフィンガ-モチ-フの重要性を明らかにするため、Znフィンガ-モチ-フのCysをSerに置換した変異XPACcDNAおよび変異XPAC蛋白を作成した。野生型XPACcDNAをトランスフェクションしたA群XP細胞は正常細胞と同じUV抵抗性を示したのに対し、変異XPACcDNAを導入したA群XP細胞は強いUV高感受性を示した。また、変異XPAC蛋白のDNA結合能は殆んど消失していた。これらの結果は、XPAC蛋白のDNA修復能にZnフィンガ-構造やそのDNA結合能が重要な役目をはたしている事を示唆している。障害DNAへの結合特異性すなわちDNA修復における障害DNAの認識やDNA鎖切断等は、他のDNA修復関連蛋白と結合し複合体を形成することでなしとげられると考えられる。そこで、XPAC蛋白をリガンドとして、これと結合する蛋白をA群XP細胞の抽出液より検索した。その結果、複数個のバンドがSDSーPAGEで確認された。抗XPAC抗体やXPACペプチドで競合される蛋白も同定され、現在これらを精製中である。
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