研究課題/領域番号 |
03152072
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田中 武彦 大阪大学, 医学部, 教授 (60028272)
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研究分担者 |
今井 圓裕 大阪大学, 医学部, 助手 (00223305)
野口 民夫 大阪大学, 医学部, 講師 (70135721)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1991年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | L型ピルビン酸キナ-ゼ / M_2型ピルビン酸キナ-ゼ / 転写因子 / LFーB1 / オルタナティブスプライシング |
研究概要 |
私どもはL型ピルビン酸キナ-ゼ(PK)の転写を制御する3ケ所のシス作用領域を同定し、そのうちの1ケ所にはLFーB1が、他の2ケ所には未知の核タンパク質が結合することを示した。そこで、肝細胞の増殖やがん化に伴うL型PKの低下が主に、LFーB1によって制御されているかどうかを検討した。肝部分切除後、L型PKmRNAは著明に低下したが、LFーB1mRNAは逆に増加傾向を示した。また、高分化度の肝癌では両mRNAとも発現していたが、低分化度の肝癌ではL型PKmRNAは全く認められないにもかかわらず、LFーB1mRNAはAH130では正常肝細胞と同程度に発現していた。したがって、L型PKの発現はLFーBlのレベルによってのみ制御されているのではないことが示唆された。一方、M_2型PKは肝癌で増加するが、M_1型PKと同じM遺伝子の転写産物のオルタナティブスプライシングにより産生するので、M_2型PKの発現は転写およびスプライシングのレベルで制御されている。オルタナティブスプライシングに関与するシス作用領域を同定するため、種々のミニ遺伝子を構築し、dRLhー84肝癌細胞(M_2型PK発現細胞)や正常肝細胞(L型PK発現細胞)に導入し、mRNAを逆転写酵素ーPCR法により解析した。その結果、M_1型エクソンは肝癌細胞のみならず、正常肝細胞でもエクソンとして認識されにくいこと、これは主にM_1型エクソンの下流のイントロンの5^1端の配列がスプライス機構に認識されにくいためであることを明らかにした。
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