研究課題/領域番号 |
03152095
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
谷口 俊一郎 九州大学, 生体防御医学研究所・細胞学部門, 助教授 (60117166)
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研究分担者 |
貞野 宏之 九州大学, 生体防御医学研究所・細胞学部門, 助手 (70187160)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1991年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | 転移 / 転移抑制 / βmアクチン / ビンキュリン / 細胞運動能 / vーfos癌遺伝子 |
研究概要 |
マウスB16黒色腫において転移抑制的に働くアクチン(βm)のcDNAを高浸潤性B16ーBL6に導入しても、B16ーF10に導入した時と同様に、細胞骨格構築の回復及び転移能の低下を観察した。又、BLー6細胞において外来性のβmアクチンの発現量に依存した運動能低下がみられた。βmアクチン蛋白質の生化学的性質を調べた結果、ミオシンATPaseの活性化は、低Mg^<++>濃度領域でβmを含むアクチン分画がβmを含まない分画よりも強く、DNase1の阻害効果は、通常の脱重合条件下でβmアクチンを含む分画の方が弱い活性を示すことが分かった。又、通常の脱重合条件下でβmを含むアクチンをβm特異的抗体とprotein Aで沈降させてみると、βmとβ、γがともに沈澱として生じた。これらの結果はβmを含む分画はアクチン繊維を低イオン強度下でも形成し易く、脱重合しにくいことを示唆したいる。これらの生化学的性質から、βmが細胞内で発現すると細胞の動きに対して不利なアクチン繊維が形成されると推定された。 膜の裏打ち蛋白質ビンキュリンのβmアクチンに伴って発現変化を観察した。これは、mRNAレベルの変化であることが分かった。 vーfos導入による高転移性ラット3Y1細胞において発現が増強している遺伝子のcDNAクロ-ンを数個得たが、そのうち未知のものの構造が明らかになった。それは、リボソ-ム蛋白をコ-ドしており、酵母のYL41というものに相補性を有するものであった。又、Elongation Factor1α(EF1α)の全蛋白質領域をコ-ドするcDNAを得たが、これは蛋白合成制御に関与するGTP結合蛋白であり最近アクチン結合蛋白質ということも分かった。ラットのアミノ酸配列中にはそれらの機能領域に対応する部位が保存されている事が分かった。
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