研究課題/領域番号 |
03152117
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
福島 昭治 大阪市立大学, 医学部, 教授 (00137077)
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研究分担者 |
朝元 誠人 大阪市立大学, 医学部, 講師 (50212494)
鰐渕 英機 大阪市立大学, 医学部, 助手 (90220970)
大谷 周造 大阪市立大学, 医学部, 教授 (80047068)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1991年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 膀胱二段階発癌 / 発癌プロモ-ション / 発癌インヒビション / 発癌抗プロモ-タ- / phytic acid / indomethacin / dehydroepiandrosterone |
研究概要 |
ラット膀胱発癌においてbutylated hydroxyanisole(BHA)やbutylated hydroxytoluene(BHT)などの合成酸化防止剤は強いプロモ-ション作用を発揮する。そこで本研究では生活環境に多数存在する天然酸化防止剤がラット膀胱二段階発癌にどのように関与し、また、膀胱癌の発育と進展を如何に修飾するかを検討した。6週齢のF344系雄ラットを用い、0.05%BBNを4週間投与し、膀胱をイニシエ-トした後、各種被験物質を投与した。その結果、1.豆、穀類中に存在し、また、食品添加物でもあるphytic acidのNa塩は発癌プロモ-ション作用を発揮した。また、尿pHの上昇と尿Naイオン濃度の増加がプロモ-ション作用に相関してみられた。しかし、phytic acidそのものやK、MgおよびCa塩には発癌修飾作用がみられなかった。2.発癌プロモ-タ-であるBHAやBHT等のフェノ-ル系酸化防止剤の低濃度複合投与は、腫瘍の発生に相乗的に作用した。さらに、これらとNa塩を複合投与すると相乗作用がより強く発揮され、膀胱上皮のprostaglandin E_2(PGE_2)合成とDNA合成は高値を示した。3.dehydroepiandrosteroneはBHAと同時に投与するとその発癌プロモ-ション作用を強く抑制し、G6PD活性の低下に基づくヌクレオシドの減少がその一因と考えられた。また、indomethacinもBHAとの同時投与により抗プロモ-ション作用を発揮し、DNA合成の低下、PGE_2産生阻害と抗プロモ-ションとの関連が裏付けられた。4.BBNによるイニシエ-ションなしの群において、Lーascorbic acidはsodium citrateによる膀胱上皮のDNA合成の亢進を増幅し、単純性過形成の程度を強めた。今後、さらに酸化防止剤のもつ発癌修飾作用を解析し、癌の一次予防の資料にしたい。
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