研究課題/領域番号 |
03152130
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
月田 承一郎 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (50155347)
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研究分担者 |
米村 重信 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (60192811)
月田 早智子 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (00188517)
永渕 昭良 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (80218023)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1991年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | 細胞接着 / 接着装置 / カドヘリン / アクチン / チロシンキナ-ゼ / ラディキシン / アンキリン / カテニン |
研究概要 |
細胞間接着の制御機構とシグナル伝達機構を明らかにする目的で単離AJ(adherens junction)を用いた解析を進めた。Radixinは単離AJの裏打ち構造に局在するアクチンフィラメントのbarbedーend capping蛋白質として我々が同定したものである。昨年度はradixinのcDNAの単離に成功した。得られたcDNAはezrinと高いホモロジ-を示した。本年度は、さらにradixinともezrinとも異なるが、やはりよく似たもう一つの蛋白質が多くの細胞でradixinやezrinとともに広く発現していることを見い出した。さらに、これらラディキシンファミリ-とも呼べる蛋白質群が、アクチンフィラメントが細胞膜に強く結合している部分に濃縮していることも明らかになった。次に、カドヘリン結合蛋白質である102kDタンパク質(カテニンα)を単離AJより精製し、そのcDNAを単離した。得られたcDNAの塩基配列を決定したところ、非常に興味深いことに、この蛋白質がビンキュリンとホモロジ-があることが分かり、カドヘリン分子はカテニンαを介してビンキュリンを含む裏打ち構造と強く結合していることが示唆された。また、カテニンαに対するモノクロ-ナル抗体の作成にも成功した。最後に、220kD蛋白質を同定した。この蛋白質は種々の性質がアンキリンに酷似しており、細胞間AJに極度に濃縮する。我々は、昨年度、srcキナ-ゼ様のチロシンキナ-ゼがAJに濃縮していることを示したが、上述の3種類の蛋白質がこのキナ-ゼのよい基質となることが示されつつある。AJにおいてこれらの蛋白質がチロシン燐酸化された時に何が起こるかを明らかにしていくことが、接着情報の伝達や接着の制御などの機構を解明する上で重要なポイントとなると思われる。
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