研究課題/領域番号 |
03152144
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
葛西 宏 国立がんセンター研究所, 生物学部, 室長 (40152615)
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研究分担者 |
山泉 二郎 国立がんセンター研究所, 生物学部, 主任研究官 (10158058)
西村 暹 国立がんセンター研究所, 生物学部, 部長 (20076970)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1991年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | 8ーヒドロキシグアニン / LECラット / 給餌制限ラット / oh^8Guaエンドヌクレア-ゼ |
研究概要 |
本年度は活性酸素によるDNA損傷の一種,8ーヒドロキシグアニン(oh^8Gua)について、1)細胞内DNA中のoh^8Guaの生成と自然発生癌の関係、2)哺乳動物細胞におけるoh^8Gua修復機構、3)oh^8Guaによる突然変異の機構などについて研究を行った。 1)自然発生肝がんが高頻度で発生するLECラットは、肝臓に銅を異常蓄積することから活性酸素の関与が示唆された。そこでDNA中のoh^8Guaを分析したところ、細胞分裂の盛んな15週令におけるoh^8Guaはコントロ-ルのLEAラットよりも高い値を示した。またラットへの給餌制限によりがん等の様々な疾患は抑制され寿命が延びることが知られている。給餌制限ラットの肝DNA中のoh^8Gua量を定量したところ、明らかに餌を自由に食べさせたコントロ-ル群よりも低い値を示し、活性酸素の関与が示された。 2)活性酸素が多量に発生するヒト好中球から硫安分画、カラムクロマトグラフィ-によりoh^8Guaエンドヌクレア-ゼの部分精製を行った。DNA切断位置は,5'‥‥pN/poh^8G/pNp‥‥3'の通りであり大腸菌oh^8Guaエンドヌクレア-ゼによる切断位置と多少異っていた。マウス,ラット,ウシの各種臓器からも同様のoh^8Guaエンドヌクレア-ゼ活性が見い出された。 3)化学合成により得られたoh^8dGTPをM13DNAのlacZ遺伝子中に取り込ませて大腸菌に感染させ突然変異を調べた。DNA中のGuaの代りに取り込まれたoh^8GuaはGC→TAトランスバ-ジョンを引き起こし、またoh^8dGTPがdTTPの代りにテンプレ-トのアデニンと塩基対を形成する形で取り込まれることによりTA→GCトランスバ-ジョンを引き起こすことがわかった。
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