研究課題/領域番号 |
03152145
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
石坂 幸人 国立がんセンター研究所, 発がん研究部, 室長 (90184514)
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研究分担者 |
高橋 雅英 名古屋大学, 医学部・第2病理, 講師 (40183446)
長尾 美奈子 国立がんセンター研究所, 発がん研究部, 部長 (40100151)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1991年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | ret癌遺伝子 / 甲状腺腫瘍 / キメラ遺伝子 / RTーPCR |
研究概要 |
乳頭状甲状腺癌細胞株TPCー1に検出された新しい活性型ret(以下ret^<TPC>)の関与を種々のヒト腫瘍をもちいて解析した。ret^<TPC>mRNAは、遺伝子再配列の結果生じたキメラ転写物として、切断点を境に3'側はプロト型ret、5'側は非プロト型retからなる構造を有している。この性質を利用してreverse transcriptionーpolymerase chain reaction(以下RTーPCR)法を行った後、切断点を中心に持つオリゴプロ-ブを用いたサザンプロット法により転写物を同定した。検体として肺癌23例、胃癌22例、乳頭状甲状腺癌11例、甲状腺腫19例、腺腫様甲状腺腫2例、子宮頚癌7例など計13臓器142例のヒト腫瘍を用いた。乳頭状甲状腺癌1例、甲状腺腫4例、腺腫様甲状腺腫1例にret^<TPC>mRNAが検出され、甲状腺以外の腫瘍には検出されなかった。本研究により、ret癌遺伝子の活性化が甲状腺腫瘍発生に重要な働きをしていることが示唆された。RTーPCR法による解析により、腺癌だけでなく良性腫瘍にもret^<TPC>mRNAが検出された。陽性腺癌では、組織のどの部分にもret^<TPC>mRNAが検出されるのに対して、良性腫瘍では、ret^<TPC>mRNAが陽性の部分と陰性の部が認められた。日本人では甲状腺組織に潜在癌が高率に認められるとの報告があり、高い検出感度を有するRTーPCR法によりret^<TPC>陽性潜在癌が検出されている可能性が考えられた。また、プロト型ret遺伝子産物に対する家兎抗血清が得られ、ret^<TPC>遺伝子産物は57kDaのリン酸化タンパク質として細胞質可溶性画分に検出された。この抗体を用いた免疫組織化学的検索の展開が期待される。
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