研究分担者 |
茂木 清夫 日本大学, 生産工学部, 教授 (40012893)
清水 洋 九州大学, 理学部, 助教授 (50178985)
神沼 重伊 国立極地研究所, 教授 (90012921)
田中 和夫 弘前大学, 理学部, 教授 (40003511)
岡田 弘 北海道大学, 理学部, 助教授 (40000872)
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研究概要 |
最近のフィリピン地震や雲仙,ピナトゥボ火山の活動に伴い,それらの前後に広い地域での群発地震の発生が確認された.このような現象を定量的に解析するため,本研究計画では,10年以上にわたって群発地震研究会が蓄積してきた日本の群発地震のデ-タを統一基準でデ-タベ-ス化することを第1の目的とした. 本研究の第2の目的は,10年来の群発地震の研究成果をもとにして,群発地震に関する上記のような要請に応えるためのデ-タベ-スを構築し,さらに,それを用いた群発地震現象の定量的解析を行うことによって,群発地震現象の地域的特性を明らかにすることにある. デ-タの収集と分析・整理を続けた結果,約20000件の日本と中国の文献のデ-タベ-スが一応完成し,その整備が行われつつある.これらの研究報告の中には,事例の調査報告が多く含まれており,それらが次の研究のデ-タとして活用されるものである. また,最近の群発地震活動のデ-タから,新しくいくつかのことが発見された.例えば,伊東沖の海底噴火に伴う群発地震の震源の精密な再決定から,噴火の9日前から2日前にかけて,深さ6kmから噴火地点直下に向かう地震活動の移動が認められた. 1990年7月16日のフィリピン地震(M7.8)の直後から,台湾,九州から近畿までの各地で群発地震が同期的に発生し,フィリピン海プレ-トとユ-ラシア・プレ-トとの境界に沿って地震活動に変化が起こった.広域の地震群の活動変化を,より系統的に観察し,巨大地震による応力場の変化を定量的に解析して,観測された現象と比べていくことも今後必要である.
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