研究課題/領域番号 |
03201134
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
鈴木 義則 山口大学, 農学部, 教授 (70081495)
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研究分担者 |
早川 誠而 山口大学, 農学部, 教授 (80038299)
角 明夫 鹿児島大学, 農学部, 助手 (70154622)
坂元 隼雄 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (50041231)
今 久 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (60153706)
堀口 郁夫 北海道大学, 農学部, 教授 (10001439)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1991年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 火山災害 / 火山灰 / 農作物被害 / 雲仙火砕流 / スコリア / 光透過率 / 桜島 / リモ-トセンシング |
研究概要 |
火山は、本年度(1991)も雲仙普賢岳、ピナトゥボ山のように地球規模で活発で人命の損失をはじめ、経済活動に重大な影響がでた。ここでは北海道、関東、九州(新たに雲仙関係を追加)の火山を対象に研究を行った。 (1)新噴出火山灰付着成分の化学性:桜島降灰(採取地鹿児島大・鹿児島市内)は経年変化を示し、各ピ-ク値でみると1991.4〜1992.1でpHが3.22(かなりの低下)、イオン類ではF^ーが554mg/Kg(上昇)、Cl^ーが1440mg/kg(上昇)、SO_4^<2->は2250mg/kg(前年並)であった。水圏に可溶性成分として供給された量はフッ化物イオン1070t/y、塩化物イオン2970t/y、硫酸イオン7550t/yと推定された。北海道有珠山の1977年の新噴出火山灰では、pH:6.71、Cl^ー:103mg/kg、SO_4^<2->:50mg/kgであった。雲仙のF^ーとCl^ー溶出量は桜島より極めて少なかった(採取前に雨に濡れか)。 (2)農作物の被災地のリモ-トセンシング解析:(1)伊豆大島噴火後の森林被害地ではランドサットバンド4の反射特性が大きく低下し、その値はスコリア堆積量に反比例した。(2)桜島火山灰の作物の葉面堆積量は分光反射特性値により推定可能で、その算定式を提案した。 (3)新噴出火山灰の農作物の生育抑制機構と被害発生予測法の検討:(1)土壌に灰を混和させても伸長した根を土層とは空間をおいた水耕液に直接導くと灰の影響が全く出ない場合が認められた。これは栽培の新方式の芽となりうる。(2)被覆面の堆積灰の影響:遮光は作物の生育を抑制し、遮光の悪影響は長期ほど顕著であった。(3)桜島、雲仙の灰を株元に堆積されたカブの栽培では、根部に形状異常が発現した。 (4)灰で汚れたプラスチックフィルムの光透過率は、フィルム面からの距離が離れるほど小となる。 (5)雲仙火砕流による植物焼失限界は(温度*接触時間)と葉内水分量で決まり、生理機能の高温破壊が認められた。
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