研究課題/領域番号 |
03201207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
坪木 和久 東京大学, 海洋研究所, 助手 (90222140)
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研究分担者 |
吉崎 正憲 気象研究所, 予報研究部, 研究官 (60101101)
中村 晃三 東京大学, 海洋研究所, 助手 (20143547)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 帯状降雪雲 / 渦状擾乱 / 数値モデル / スペクトルモデル / メソスケ-ル低気圧 / 積雲対流 / 風下低気圧 / 渦列状擾乱 |
研究概要 |
冬期、アジア大陸から季節風の寒気が日本海上に吹き出したとき、細い筋状の雲の他に幅の広い帯状の雲が、朝鮮半島の付け根から日本の北陸にかけて、あるいは北海道の西岸に沿って形成される。いわゆる帯状収束雲と呼ばれるもので、その上陸地点にしばしば豪雪をもたらす。この帯状収束雲に沿って直径が数100km程度の渦状の擾乱がしばしば形成される。本研究課題ではこの帯状収束雲と渦状擾乱について、主に数値モデルを用いてこれらの発生メカニズムと構造を明らかにすることが目的であった。まずデ-タ解析については、気象衛星の画像から季節風卓越時に日本海上に発達した帯状収束雲とそれに沿って発生した渦状擾乱の発達の様子を調べ、以下に述べる数値モデルの結果を比較した。また天気図及び気象庁客観解析デ-タからこれらの擾乱の発生したときの総観場の特微を明らかにした。デ-タ解析で調べた擾乱について、気象庁日本域スペクトルモデルまたはそれを改良したモデルを用いて数値実験を行い、日本海西部に発生した帯状収束雲とメソスケ-ル低気圧の数値実験を行った。事例として、日本海沿岸に突風と豪雪をもたらした1990年1月23日の渦状擾乱を選んだ。その結果、水平分解能40kmのモデルで渦の発達過程がよく再現された。擾乱の強制力に関する様々な敏感度実験を行った結果、この小低気圧の形成には調鮮半島の付け根にあるペクト山と日本海からの顕熱の加熱が重要な強制力となっており、これらのうちどちらかを除いても低気圧はほとんど形成されないことが明らかになった。これらの結果よりこの低気圧は風下低気圧の海面からの強制を受けたものとして理解される。また、水平解像度を10kmに上げたモデルを用いて行った数値実験より、帯状収束雲に沿って形成されるさらに水平スケ-ルの小さい(水平スケ-ルが数10kmから100km程度)の渦列状擾乱の発生及び発達過程が再現された。
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