研究課題/領域番号 |
03201233
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
町田 洋 東京都立大学, 理学部, 教授 (10087009)
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研究分担者 |
早川 由紀夫 群馬大学, 教育学部, 助教授 (40198825)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1991年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 火山灰 / 年輪年代学 / 東伊豆単成火山地域 / 樽前山 / 有珠山 / 雲仙岳 / 北海道駒ケ岳 / テフラ |
研究概要 |
神津島、新島、東伊豆単成火山地域、浅間山、樽前山、有珠山、北海道駒ケ岳、そして現在噴火中の雲仙岳を調査した。たとえば、東伊豆単成火山地域では過去3万2千年間の噴火史を調べ、現状を正しく認識するための基礎資料とした。北海道では17世紀の噴火に注目した。有珠山のUsーb噴火(1663年)堆積物と樽前山のTaーb噴火(1667年?)堆積物の間に4年の時間が存在するという考えには否定的な野外観察結果が得られた。Usーb噴火が1663年に起こったことはほぼ間違いないから、Taーb噴火もそれに引き続いて1663年に起こったのではないかという仮説を現在検証中である。雲仙岳では、火砕流・溶岩ド-ム・土石流災害の情報を多方面から収集して現在分析中である。また、これから来る災害の予知と防災の研究にも努力している。 一方、歴史時代の大噴火の影響などを知るために、樽前火山東麓でTaーa噴火(1739年)で根元を埋められた樹木について年輪幅の測定を行った。その結果、1)樽前山の噴火が起こった年の後2年間は年輪の成長が異常に貧弱であったが、3年目から蘇生し、その後7ー8年間は造輪が一生のうちでもっとも大きく成長したこと、2)Taーbの噴火以後25年経つて、ようやく林地の回復がみられたこと、3)Taーaの噴火以後、樽前では何回も噴火があったが、直接的影響はありまみられず、全体として小氷期の影響かとみられる年輪幅の小さい時期が1750年代の末から1980年代まで続いたことなどがわかった。 1992年5月に東大出版会から「火山灰アトラス」(町田 洋・新井房夫著)を出版する。この本は主として過去13万年間に日本で起こった、規模およそ0.1km3以上の爆発的噴火によるテフラについて、ひとつひとつの特徴を記述したものである。
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