研究課題/領域番号 |
03201236
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
難波 義郎 近畿大学, 工学部, 助教授 (40125125)
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研究分担者 |
大森 豊裕 近畿大学, 工学部, 講師 (60088599)
保野 健治郎 近畿大学, 工学部, 教授 (50088572)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1991年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 地震 / 火災 / リスク分析 / 都市防災 / 出火件数 / 倒壊件数 / 焼損面積 / 防災システム |
研究概要 |
本研究の目的は、大地震発生直後に予想される火災被害を主とする都市のリスク分析を行ない、これらの被害をできる限り少なくするための都市の防災システムを検討することにあり、本年度において次のような研究成果を得ることができた。まず、第一に都市のリスク分析に関する研究の端緒として地震時出火件数の推計方法に関する考察を行なった。地震時の出火の研究としては、いわゆる「河角の式」で代表される「倒壊率一出火出式」が有名であり、出火件数を求めようとすると、この式により倒壊件数(倒壊率)が既知であるとして算出することになる。ところが、出火も倒壊も地震の力によって起こるということにより、地震力(地盤の加速度応答)から直接出火件数を求める回帰式(関東大震災のデ-タによる)について検討すると、一旦倒壊件数を求めて出火件数を求めた場合では、相関系数で比較すると前者が0.714後者が0.655であり、直接、地震力から出火件数を求める方が高い値を示し、計算も簡単であり精度もよいことがわかった。もた、分析方法としては、計算も簡単であり精度もよいことがわかった。また、分析方法としては、最小二乗法とポアソン回帰法を使い分けるべきであるなどが判明した。つぎに、都市防火対策に関する研究として、筆者独自の火災延焼および延焼阻止モデルを神戸市全域に適用し、火災危険度の指標として「年間の焼損面積」を考え、500×375mの区画に分けた地域の潜在的な火災危験度の評価が精度よく行なえることを確認した。そして、この火災危険度指標により、神戸市の消防署の配置に関して応用すると、平常時の火災に対しては、ほぼ適正な配置であることが示された。しかし、地震時の消防。救急出動に関しては、道路および沿道に土地建物利用、緊急車両の運用・配置計画等の都市防災システム・情報システムなどの効率を考慮し、より合理的なものにする必要があると考えられ、さらに多くの課題を残している。
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