研究概要 |
本研究では、化学物質の人間および環境への暴露の程度、人間の健康に与える影響、環境全般に与える影響を評価することを第一の目的にしている(リスク評価)。次に、それらの化学物質の便益(ベネフィット)の評価をし、その両者を勘案して、化学物質規制に関する提案をすることを最終的な目的にしている。結果は、以下のとおり。 1.環境測定結果:ここでは、大気関係の調査結果のみを示す。測定した化学物質は、1,1ーDichloroethylene,Dichloromethane,transー1,2ーdichloroーethylene,nーHexane,1,1ーDichloroethane,cisー1,2ーdichloroethylene,Chloroform,1,1,1ーTrichloroethane,Carbontetrachloride,Benzene,1,2ーDichloroethane,Trichloroethylene,Toluene,1,1,2ーTrichloroethane,Tetrachloroethylene,oーXylene,mーDichlorobenzene,pーDichlorobenzene,oーDichlorobenzene,1,3,5ーTrichlorobenzene,1,2,4ーTrichlorobenzene.発ガン性が証明されているものには、下線を施した。 これらの発ガンリスクを計算したところ、上記下線を施された6種の化学物質による発ガン確率の合計は、場所により、1.45*10^<ー3>、6.4*10^<ー4>、7*10^<ー5>、1.2*10^<ー4>であった。大気中に含まれる化学物質による発ガンリスクは、水起源のものより大きく、一般通念で、"良い住環境"と考えられるところでも、10^<ー4>を超えている。 2.白蟻防除剤のクロルデンのリスク/ベネフィット解析:クロルデンの発ガンリスクについては、算出した。それは、状況により、2.6*10^<ー5>から3.3*10^<ー4>の範囲にある。クロルデンおよび、クロルデン代替物の有機りん主体の新しい白蟻防除剤のガン以外の病気に対するリスク評価方法、ベネフィットの算出については、研究継続中である。
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