研究課題/領域番号 |
03202109
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松原 望 東京大学, 教養学部, 教授 (20000185)
|
研究分担者 |
中村 豊 筑波大学, 社会工学系, 講師 (80180412)
池田 三郎 筑波大学, 社会工学系, 教授 (40026307)
北畠 能房 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (20109896)
土井 陸雄 横浜市立大学, 医学部, 教授 (70091585)
齋藤 寛 長崎大学, 医学部, 教授 (80004901)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
1991年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
|
キーワード | リスク / 管理 / 動的 / 費用 / 遺伝 / 因果関連 / 情報 / アセスメント |
研究概要 |
(1)動的リスクの概念その意味は i)前以て、手遅れにならぬよう、ii)きめ細かくii)きめ細かくiii)基本的には、市民的決定をめざしてiv)しかしながら、社社会的コスト・ベネフィット比較も留保しつつ、v)適切な科学的根拠を得つつ、vi)有効な技術的手段も用いて、vii)法制度の改変も視野にいれつつ、人間の生存に不可欠な良き自然環境を社会的に保証することである。(2)「動的リスク管理」のいくつかの型 純系マスウを用いて、遺伝因子、環境因子、年齢(時間因子)それぞれとメチル水銀の生態内動態を調べた結果、遺伝的選択の観点からは、特定の遺伝的特性をもつ個体から順番に選別されていくことがわかった。(土井)カドミウムによる尿細管機能異常の主要な臨床所見は、ファンコニ-症候群のなかに見られるものと同一である。環境中のカドミウムへの暴露について、カドミウム汚染地域の調査の結果、β_2ーグロブリン濃度が統計的な因果関連において決定的な役割をはたす指標であることが確認された。(斎藤)水道法は水源を汚染する諸活動にたいする規制は考えていない。下水道法も排出するときは放流基準の遵守を定めるが、監視がない。日本では技術優先の金をかける対応が多い。土地利用規制の法的強化が必要である。下水道計画のアセスメントがまず議論されてよい。(阿部)環境・技術リスク問題に対処する意思決定(診断、評価、制御)のための動的管理では対象とするリスク・システムの構造の不確実性と、関係者間の利害の複雑性による意見の相違が合意形成を困難にしている。「見る」ことでこの障害は突破できる。東京都水系におけるトリハロメタンなどによるリスクをさまざまなシナリオに応じて評価し、その結果を視覚的に表示する。(池田)所有が設定されている財は市場で財の価格が成立し、これにしたがうなら、合理的な人はその財を過剰に利用することはありえない。環境資源は所有が設定されていないのでその過剰使用は放置され、経済社会の将来の生産力、人間の生存基盤の減耗を通じて人々の厚生水準を大幅に低下させる。そこで、環境・経済の財産目録、家計簿あるいは、財務諸表を考える。(北畠) 動的リスク管理は動的決定問題である。時間軸にそう意思決定者の選好および将来にわたる価値観の問題に対処しなければならない。将来の時点で新たな情報により不確実性が変化したとき、現在の価値観または最適と判断された選択がそのままであるという保証はない。行政の介入が早過ぎても遅過ぎてもコストが発生する。(中村) 中間報告書『人為起源物質の制御にはたす動的リスク管理手法の開発』G060ーN19B1
|