研究課題/領域番号 |
03202120
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
桜井 善雄 信州大学, 繊維学部, 教授 (30021140)
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研究分担者 |
渡辺 義人 信州大学, 繊維学部, 講師 (10021172)
鈴木 紀雄 滋賀大学, 教育学部, 教授 (90025354)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 水生植物 / 付着生物 / NP除去 / ヒメタニシ / トンボ類 / ヨシ群落 / 水生植物群落復元 / ヤナギ類 |
研究概要 |
1.水生植物群落内の付着生物群集をめぐるCNPの動態(渡辺):諏訪湖のエビモ帯および実験室内において付着生物群集の生産に伴うCNPの動態を測定した。湖水中の人工基盤上における夏季の純増加速度は、直線増加期にC;90,N;10,P2.6(mg/m^2・d)で、これまでの春・秋季に比べて1/5〜1/3の低い値であった。諏訪湖の人工基盤上に発達した付着生物群集を用いて室内の人工照明下で測定した水中からのNPの除去速度は、N;46〜100,P9〜18(mg/m^2・d)であった。これはこれまでに報告されている水生植物による除去速度より低い値である。 2.ヒメタニシの糞による植物プランクトンの増殖抑制(鈴木):琵琶湖の沿岸帯に大量に生息するヒメタニシとカワニナの糞による一次生産力(糞中に含まれる植物プランクトンによる)およびNPの吸収を測定した。ヒメタニシの糞の一次生産力はカワニナに比べて約10倍(1日目)から4倍(3日目)高く、また水中のDINおよびPの濃度を低下させた。両種の糞を投入した水中の生産力は逆にカワニナの場合に数倍高かった。 3.湖岸・河岸帯植物群落の保全と復元(桜井):この課題については以下のようなさまざまな調査・研究を行なった。(1)霞ケ浦湖岸のヨシ群落を先端部の株化・崩壊現象が広範囲に起きていることを調査し、その原因を考察した。(2)湖岸帯の植生構造と生息するトンボ群集の関係について上田市の溜池群について3年間調査し、多様な生活形からなる群落が多様なトンボ群集の生息の基盤であることを明らかにした。(3)霞ケ浦の裸地化した湖岸においてヨシその他の抽水植物およびヤナギ類を植栽し、沿岸帯植物群落の復元をはかる実験を建設省と協力して実施し、満足すべき結果をえた。しかしこの人工群落は、台風の増水時に流入した木材など粗大浮遊物の高波によるロ-リングのため、壊滅的な損傷を受けた。上記の(1)の原因の一つもこれであり、対策を要する。(4)千曲川中流の戸倉地籍右岸の低水護岸部で、建設省と協力して木工階段護岸と蛇籠護岸にヤナギ類を併用するための基礎試験を実施した。ヤナギは低木性(ネコヤナギ、イヌコリヤナギ)と高木性(タチヤナギ、カワヤナギ)の4種を植栽し、いずれも良好な結果をえた。(5)河岸帯の自然度を類型分けして評価する手法を考案し、上田市内を流れる千曲川およびその支流の14河川の流路延長102kmを対象にして調査してその結果を解析したところ、この方法は有効であることが判明した。
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