研究課題/領域番号 |
03202216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
朝倉 祝治 横浜国立大学, 工学部, 教授 (20018013)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1991年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 硝酸塩 / 亜硝酸塩 / アンモニウム塩 / 地下水 / 電気化学的汚染物除去 |
研究概要 |
従来、NO_3^-は中性及びアルカリ性においては安定な化学種であるが、デバルダ合金(Cu‐Al‐Zn)はアルカリ性溶液中でNO_3^-を速やかにNH_4^+に還元することが知られている。その反応過程を解析した結果、デバルダ合金が電気化学的過程によってNO_3^-を還元していることを見いだし、中性溶液におけるCu電極のNO_3^-還元反応触媒能が示唆された。 そこで銅を電極とした電解プロセスを中性溶液において検討したところ次のような知見を見いだした。まず、中性溶液においてNO_3^-の還元はNO_2^-を経てNH_4^+まで還元され、電解電位が高い場合この還元ステップはNO_2^-で止まり、低い場合は速やかにNH_4^+まで進行することが明かとなった。さらに‐1.1VvsSHE以下の電位領域ではNO_3^-の還元反応速度が急激に増加することが明かとなった。この領域ではNO_3^-は、発生した水素により還元されているものと考えられる。以上の知見より、この電解プロセスを用いた場合、NO_3^-は速やかに還元されるとともに還元生成物としてほぼ100%NH_4^+が得られることが分かった。また、比較として白金電極を用いて同様の検討を行なったところ、NO_3^-除去率、NH_4^+の収率、電流効率の何れの点においても銅電極が白金電極に比べ優れていることが明かとなった。 電解プロセスによって生成するNH_4^+除去にはゼオライトを用いた補助プロセスが最適であると考え、実際のプラントを想定した実験室レベルのプロセスを組み、その性能を検討した。電解時の水素発生に伴うpHの増加を防ぐため対極液に弱酸を使用した場合、処理後のpHは9.1となり、溶液のpHをほぼ中性に維持することができた。そこで‐2.1VvsSHEで約2h電解したところNO_3^-除去率74%で、しかも生成したNH_4^+を完全に除去することができた。また、この処理プロセスにおける電力消費より計算した処理コストは100円/tonであった。
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