研究課題/領域番号 |
03202223
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
堤 和男 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (00013178)
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研究分担者 |
鈴木 慈郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30124465)
松本 明彦 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (90239088)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ゼオライト / 疎水性 / 水処理 / 有害有機物 / 吸着 |
研究概要 |
現在までに水中からの有害有機物質の吸着除去へのゼオライトの利用を目的として、四塩化珪素処理によりNa型フォ-ジャサイを脱AIし、Si/Al比10以上にすると有効であることがわかった。しかし、四塩化珪素処理は,高温で行う必要があったり、高いSi/Al比(30以上)を持つ試料が得にくい、などの欠点がある。 そこで本研究では、水熱処理および酸処理により脱Alを行った。得られた試料のSi/Al比は7〜385であり、水中からの界面活性剤の吸着容量をドデシル硫酸ナトリウム(SDoS)を用いて調べた。 窒素吸着測定により試料の細孔構造を調べると、未処理NaーY_<5.5>はゼオライトの均一なミクロ孔が存在することが明らかだが、処理試料では、2〜5nmに細孔のピ-クが見られ2次細孔が生成している。またその細孔容積はSi/Al比の増加、すなわち処理の程度の度合いに伴って増加している。SDoSの吸着量は以下のようになる。四塩化珪素処理したSi/Al比=23の試料(NaーY_<47>)では吸着量が160mg/gとなっているのに対し、本処理試料ではSi/Al比=7程度のもの(HーY_<14>)でも吸着量が170mg/gとなり四塩化珪素処理のものよりも高くなった。またHーY_<144>は各試料中最も吸着量が高く260mg/gとなった。この結果より、水熱処理および酸処理が水中からの界面活性剤に対する吸着能を高めるのに非常に有効であることがわかった。これは水熱処理および酸処理により生成するメゾ孔が比較的大きな分子である界面活性剤の吸着の際に有利に働くためと考えられる。 以上のように、水熱処理などによりSi/Al比を高めたゼオライトは表面に水酸基を有しながら、水共存下でも有機物の吸着能が高く、水処理への利用が可能である。これらのゼオライトへの銀担時による微生物殺菌能は検討中である。
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