研究課題/領域番号 |
03202243
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
前田 滋 鹿児島大学, 工学部, 教授 (90041566)
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研究分担者 |
中 建介 鹿児島大学, 工学部, 助手 (70227718)
大木 章 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (20127989)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | メチル化ヒ素 / 藻類 / 生物濃縮 / 生体内メチル化 / 生物学的運命 |
研究概要 |
1.目的 著者が自然界から採取したと素耐性藻類(Chlorella vulgaris)とバクテリア(Krebsiella oxytoca、Xanthomonas sp.)について、メチルヒ素化合物(アルセノベタイン、ジメテルアルシン酸、モノメチルアルソン酸)の生物的取り込みと、生体内及び排出ヒ素化合物の化学形変換を研究した。 2.結果と考察 (1)エタノ-ル処理殺菌体による無機5価ヒ素・トリメチルヒ素化合物の吸着: 全ての死細胞からいかなる化学種のヒ素も検出されなかった。上記2種の細菌はクロレラと同様に無生物的にはヒ素を取り込まないことが確認された。(2)K.oxytocaによるヒ素の生体内メチル化と排出:菌体と排出液中のヒ素の化学種・濃度を測定した結果、菌体では全ヒ素の97%が無機ヒ素、3%がトリメチルヒ素であり、排出液では81%が無機ヒ素、19%のメチルヒ素,そのうちノ-、ジ-、トリ-メチルヒ素はそれぞれ約4%、12%、3%であった。(3)クロレラ(C.vulgaris)及びK.oxytocaとXanthomonas sp.によるメチル化ヒ素化合物の生物濃縮と生体内変換:モノ-、ジ-、トリメチルヒ素化合物(それぞれMMA、DMA、TMAと略称する)いずれの化学種も同じ程度に生物濃縮された。MMA、TMA暴露では取り込まれたヒ素の半分以上がジメテル体に変化していることがわかった。細菌によるメチル化ヒ素取り込み実験の結果、K.oxytocaはMMA暴露で51.4、DMA暴露で3.1、TMA暴露で149μgAs^<-1>のTotalヒ素を生物濃縮した。Xanthomonas sp.は同様の暴露でそれぞれ、1.0、2.3、2150μgAs^<-1>のTotalヒ素を生物濃縮した。いずれもMMA,DMAに比べてTMAの取り込みが大きいことが分かる。MMA、DMAのメチル化及びDMA、TMAの脱メチル化が一部観察されたがその割合が大きくなかった。
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