研究分担者 |
由佐 悠紀 京都大学, 理学部, 教授 (90025403)
関根 英樹 東北大学, 工学部, 教授 (20005359)
水田 義明 山口大学, 工学部, 教授 (20107733)
萩野 文丸 京都大学, 工学部, 教授 (50026069)
高橋 秀明 東北大学, 工学部, 教授 (10005267)
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研究概要 |
本年度の研究実施計画の重点項目について,それぞれの研究実績の概要に関し当該年度のまとめを行う。 (1)地下抽熱層の高精度物理探査法の開発。統計的手法を用いた弾性汲トモグラフィ解析の精度向上及び高周波数弾性波探査のための坑井内爆発震源,オフセットVSPデ-タの深度変換手法及びボ-リング孔内電極配列による電気探査法の開発を行った。(2)地下環境下の亀裂進展挙動評価。大規模亀裂進展挙動を調べるために,引張軟化モデルを用いた水圧破砕亀裂進展挙動の数値シミュレ-ション・コ-ドを開発した。(3)亀裂内の水の流動特性と伝熱特性。高温岩体中の人工亀裂を平行平板間に粒子を単層に充填した流路で模擬し,粒子・流体間及び壁・流体間の物質移動係数に関する新しい実験式を提出した。(4)天然抽熱層内の流体・熱移動特性,最高岩盤温度約160℃の豊羽鉱山において,熱水回収の熱抽出実験を実施した。高圧力・大容量の冷水注入時の温度変化,回収熱水の圧力・流量デ-タについて検討した。(5)天然亀裂が支配的な透水層からの熱抽出のモデル化。豊羽鉱山坑内で天然亀裂が卓越した鉱脈に水を注入し,回収する熱エネルギ-抽出実験モデルを構築し,鉱脈内の水の流れに与える重力の影響が考慮に入れられるように改良した。(6)地熱抽出システムの寿命評価。地熱貯留層内の大きなフラクチャ-に注水井と生産井を接続させ,フラクチャ-面で熱交換して熱エネルギ-を抽出するシステムについて〓水量及び熱抽出量の解析を行った。(7)能動的地熱抽出システムへの深部熱源からの熱供給。地下における伝導以外の熱輸進過程として,蒸気卓越型の二相流過程を考察し,併せて,それによる高温域形成に対する効果を調べた。小さな透水係数においても,二相流によってかなり大きなエネルギ-輸送が可能であること,などが明らかとなった。
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