研究課題/領域番号 |
03203220
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
黒崎 晏夫 東京工業大学, 工学部, 教授 (70016442)
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研究分担者 |
山田 純 東京工業大学, 工学部, 助手 (40210455)
佐藤 勲 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10170721)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1991年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 潜熱蓄熱 / 過冷却液滴 / 加振による変形 / 凍結制御 / 静電力 / 針状結晶 |
研究概要 |
相変化を利用した蓄熱等の目的で相変化物質を小さな容器に封入すると凝固点に達しても相変化を起こさない過冷却現象が生じて蓄熱効率を極端に劣化させることが問題となっている。本研究では冷却媒体中に浮遊した微細な過冷却液滴を静電場によって能動的に加振し、液滴自身の変形を利用して過冷却解除を行う新しい技術を提案し、その過冷却解除の制御性を検討した。その結果、以下のような知見が得られた。 (1)液表面の変形と過冷却解除の関連 冷却保持媒体であるシリコンオイルの温度を変えて液滴の凍結挙動を観察することにより、液滴の凍結が見られなくなる周囲温度として液滴の過冷度が決定できる。このようにして求めた液滴の過冷度は液滴加振時と静止時とで異なり、液滴が大きい(直径数mm)場合には加振によっておおよそ3〜5K過冷度を低下させることができた。このとき生成される氷片に歪んだ形状のものが多数認められることから、液滴加振時の過冷却解除は液滴が電極近傍で大きく変形した際に起こると言える。このことは電極近傍での変形が認められないきわめて小さな液滴の過冷却解除に加振がほとんど影響しないことからも確かめられる。これらのことから液滴を加振・変形させることで過冷却解除を能動制御できる可能性があることが示された。 (2)凍結に対する電場の影響 電場を印加した状態で液滴を冷却すると針状もしくは細長い氷晶が生成されることが多かった。特に針状結晶は電界下で冷却媒体温度が-10℃程度以上にならないと生じないことから、冷却媒体中の末凍結の微小液滴が静電力で凝集を繰り返しながら成長したものであると推察される。これらの氷晶は潜熱を利用した冷熱蓄熱槽の空間利用効率を低下させるのでできるでけ避けることが望ましいが、このような氷晶の生成制御に関しては電界下の凍結現象をさらに詳しく検討する必要がある。
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