研究課題/領域番号 |
03203224
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
伊藤 義郎 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (60176378)
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研究分担者 |
中村 奨 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (10217854)
白樫 正高 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60115110)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1991年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | アミドキシム樹脂 / 含水酸化チタン / 海水 / 吸着装置 / 循環流動層 / ウラン回収 |
研究概要 |
天然海水からのウラン採取技術を実用化するためには、高性能な吸着剤の開発はもちろんのこと、高効率の海水と吸着剤の接触装置の開発もまた非常に重要である。我々はこの問題に対して、多量の海水を効率よく処理することのできる、循環流動層式吸着装置を開発してきた。本年度は、有機吸着剤の中でも比較的大きな沈降速度を有しているアミドキシム中空繊維状吸着剤(AO‐C)を用いて、天然海水からのウラン吸着実験を行った。また比較検討のため、造粒含水酸化チタン吸着剤(PAN‐HTO)についても実験を行った。 AO‐C吸着剤は沈降速度が比較的大きく、PAN‐HTO吸着剤と同じ条件で装置を運転することができた。また装置全体の圧力損失はPAN‐HTO吸着剤を利用した場合の1/8程度であった。吸着装置への海水供給をポンプを用いて行うのであれば、圧力損失が小さいほど駆動エネルギ-も少なくてすむので、AO‐C吸着剤を用いた方が運転費用は安くなるものと考えられる。海水供給に自然海流を直接利用することを想定した場合には、駆動エネルギ-の大小よりも流動安定性の方がより重要になるが、AO‐C吸着剤はPAN‐HTO吸着剤と同程度の流動安定性を示しており、海流利用の場合も問題はないと考えられる。 AO‐C吸着剤におけるウラン吸着量は時間とともに直線的に増加し、かつ昨年度使用した粒状AOR吸着剤よりも高い値を示した。これに対してPAN‐HTO吸着剤の場合にはウラン吸着量は、時間の経過とともにその伸び率が低下した。 AO‐C吸着剤を使用することにより、圧力損失を大きく増加させることなく接触部槽高を高めることができ、1サイクル当たりの吸着日数を長くすることができる。したがって、AO‐C吸着剤と循環流動層式吸着装置の組み合わせは、回収効率の高いシステムになるものと考えられる。
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