研究課題/領域番号 |
03203250
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
安保 正一 大阪府立大学, 工学部, 教授 (70094498)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1991年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 光触媒反応 / 人工光合成 / 炭酸ガスの還元 / 固定化触媒 / 酸化チタン / メタノ-ル合成 / 薄膜状触媒 / 地球温暖化 |
研究概要 |
炭酸ガス蓄積による地球温暖化の問題は、ますます深刻な問題となることは明らかである。この問題に対処するには、エネルギ-供給源を汚染のない太陽エネルギ-などのクリ-ンな供給源に求め努力と平行し、蓄積していくCO_2の有効利用を可能にする化学プロセスの開発が急務であると考えられる。本研究では、有用な光触媒として期待できる高活性固定化薄膜状酸化チタンを調製し、これを光触媒として用い炭酸ガスと水からメタノ-ルとメタンなどの有用な化合物を合成することを目的として行った。 高活性固定化薄膜状酸化チタンの励起状態は電荷移転型の(Ti^<3+>ーO^ー)励起状態に帰属できることを明らかにした。この励起状態からのホトルミネッセンスはCO_2やH_2Oの添加により消光され、その程度は添加したCO_2やH_2Oの添加量に依存し、また、寿命も同時に短くなることを見いだした。H_2OとCO_2の存在下において固定化薄膜状酸化チタン触媒を光照射すると、CH_4、CH_3OH、およびCOが主生成物として生成した。反応には、触媒への光照射とCO_2およびH_2Oの存在が不可欠であることを明らかにした。特に、CH_4とCOの生成収量は、(H_2O/CO_2)比の高い場合に、反応がより良く光触媒的に進行していることを見いだした。しかし、H_2Oが大過剰になると生成物全体の収量は減少した。また、H_2Oの代わりにD_2Oを用いると生成したメタンはCD_4またはCD_3Hであることを見いだした。一方、COはH_2Oが存在しない条件下でも生成し、水の分解と直接関連ないCO_2のCOへの光還元過程が進行していることを見いだした。 これらの研究成果は、高活性固定化薄膜状酸化チタンを光触媒としてCO_2とH_2Oからメタノ-ル、メタンが合成できる人工光合成の可能性を示した。研究成果は新聞紙上での取り上げられた。
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