研究課題/領域番号 |
03204006
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
寺倉 清之 東京大学, 物性研究所, 教授 (40028212)
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研究分担者 |
能勢 修一 慶応義塾大学, 理工学部, 助教授 (30172795)
山口 兆 北海道大学, 理学部, 教授 (80029537)
那須 奎一郎 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (90114595)
細矢 治夫 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (10017204)
中辻 博 京都大学, 工学部, 教授 (90026211)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
23,000千円 (直接経費: 23,000千円)
1991年度: 23,000千円 (直接経費: 23,000千円)
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キーワード | 第一原理分子動力学法 / 化学吸着 / 表面反応機構 / 高温超伝導体 / 格子振動の非調和性 / 同位元素効果 / 有機強磁性体 / グラファイト |
研究概要 |
材料機能の発現は原子の組み合わせとそれらの構造に強く依存する。現実の材料は完全結晶であることは稀であり、何らかの非周期性を持っている。そのような場合には、実験的に原子配列を正確に決めることは困難であることが多く、理論計算が重要な役割を演じる。原子配列が求まったうえで材料の性質を微視的に知るには電子状態を知られなければならない。また、外部の刺激に対する応答として電子状態が変化すると、それが原子配列を変えることもある。種々の興味深い系に対して、以上のような観点から理論研究を行うための手法の開発、整備および具体的な理論解析が行われた。 寺倉と能勢は、電子状態計算を出発点として原子の運動を追いかけることのできる第一原理分子動力学法のプログラム開発を行った。この方法は固体表面での化学吸着のメカニズムの解明に適用された。それと平行して、この方法の適用範囲を広げるために、定圧力で定温度の計算を可能とする作業が進行中である。中辻は量子化学的手法で表面ー分子相互作用系を調べた。特に、固体表面をクラスタ-で近似する方法について詳しくテストを行い、Li表面での水素分子の化学吸着の機構を調べた。また、中辻の開発したSACーC1法により、過マンガン酸イオンが分解して酸素分子を放出する反応の機構を明らかにした。那須は、酸化物高温超伝導体やK_3C_<60>の超伝導について、強い電子格子相互作用と格子振動の非調和性に注目した研究を行い、同位元素効果や高い超伝導転位温度に対する興味深い結果を得ている。細矢は、グラファイトの電子構造に出来るだけ速やかに収束する炭素の平面クラスタ-の幾何学を詳しく調べた。山口は有機化合物の磁気的性質を量子化学的計算によって調べた。ハイゼンベルグ模型での交換相互作用のパラメタを第一原理計算から導いたことは、現実の系とモデルとの対応をとるという本班の目標の一つに沿ったものである。
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