研究課題/領域番号 |
03204008
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
宮田 清蔵 東京農工大学, 工学部, 教授 (90015066)
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研究分担者 |
田坂 茂 静岡大学, 工学部, 助教授 (10134793)
渡辺 敏行 東京農工大学, 工学部, 助手 (10210923)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1991年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 異相界面 / 結晶配向制御 / 非線形光 / 第二高調波発生 / パラニトロアニリン / トランスクリスタル / 自己組織化膜 |
研究概要 |
近年、有機材料の光第二高調波発生(SHG)に関する研究が活発になされている。SHGに非中心対称構造を有する結晶にのみ発現する。従っていかに結晶構造を制御するかが,新規材料を設計する上で非常に重要となる。我々は単独ではSHG活性を示さないパラニトロアニリン(pーNA)とポリーεーカプロラクトン(PCL)を混合し、結晶化させるとpーNAとPCL間に働く水素結合のため電界を印加することなしにSHG活性が発現することを見いだした。pーNAの組成比がPCLに対して25Wt%程度であると共晶構造と形成し、PCLの結晶成長方向を制御することによりSHG活性なpーNAが一方向に配向したトランスクリスタルが作製できた。 次に自己組織化膜上でのpーNAの結晶成長を試みた。石英ガラスを、3ーアミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)ーエタノ-ル水溶液中に浸漬することにより、ガラス表面上にアミノ基を導入した。またニトロ基の導入はアミノ基にて化学修飾されたガラス基板をpーニトロ塩化ベンジルーベンゼン溶液中で還流することにより行った。pーNAをメタノ-ル溶液に溶解し、表面を修飾したガラス基板上にスピンコ-トし、pーNA多結晶薄膜を得た。アミノ基やニトロ基をガラス表面に導入した基板上で作製したpーNA薄膜は全てSHG活性であった。これに対してガラス表面が疎水性となるアルキル基を導入した基板上ではSHG活性なpーNA薄膜は得られなかった。以上の結果よりSHG活性なpーNAを作製するためにはpーNAと基板間の水素結合が不可欠であるということが示唆された。APTESでコ-トしたガラス基板上に作製したpーNA結晶薄膜の非線形光学定数はd_<33>=100pm/Vであると算出された。この値は非線形光学材料として良く知られているLiNbO_3のd_<33>の約3倍の大きさである。これらの材料をデバイス化することにより高効率の光偏光器が作製できるであろう。
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