研究課題/領域番号 |
03205019
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
花村 榮一 東京大学, 工学部, 教授 (70013472)
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研究分担者 |
江崎 ひろみ 東京大学, 工学部, 教務職員 (90213545)
谷口 伸彦 東京大学, 工学部, 助手 (70227221)
五神 真 東京大学, 工学部, 助教授 (70161809)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 励起子 / 励起子光非線形性 / 弱局在 / アンダ-ソン局在 / 位相共役波 / 不純物効果 / メゾスコピックな双極子 / ランダム系 |
研究概要 |
前年度に引き続き、各サイトにランダムな2準位系をもつフレンケル型励起子に関し、ランダムポテンシャルが生み出す局在効果と3次の光非線形感受率との関係を調べた。フレンケル型励起子が持つ光非線形性の起源は、同じサイトにある2準位モデルに起因するもの(intramolecular nonlinearity)と2励起子状態に起因するもの(intermolecular nonlinearity)に大別され、前者は局在効果の妨げとはならないが後者は局在効果を抑制する。まず、前者の非線形性のみを考慮して繰り込み群による取り扱いを行なうと、3次の光非線形感受率χ^<(3)>は易動度端の近付で、χ^<(3)>〜ξ^3〜|ω_c|^<‐3ν>というかたちで最大値を持つことがわかった。(ξは局在一非局在転移に伴う励起子の相関長.νは相関長の臨界指数.ω_cは励起子の易動度端。)現在、2励起子状態に伴う光非線形性を考慮したときにこの局在効果がどのように抑制されるかに関して調べている。また、このような解析的手法によるアプロ-チと並行して、不純物の効果および系のサイズ依存性を調べる為に、擬1次元フレンケル型励起子系に対し数値計算により3次の光非線形感受率χ^<(3)>を評価することも現在行なっている。アンダ-ソン局在は起こらないが,ランダムポテンシャルが時間的に変動する場合に関しても励起子の拡散運動が光非線形性に与える影響を調べる目的で、本年度は特に拡散係数を数値的に求めた。さらに興味深い問題として、励起子の超放射現象がランダムポテンシャルのもたらす局在効果がどのような影響を与えるかについても考察してみたい。 以上の理論的考察に加えて、サンプルとして窒素および塩素をド-プしたZnSe MBE膜を用い、反射型偏光分光法および4光波混合法によって3次の非線形感受率の不純物濃度依存性の評価を行なった。その結果、ノンド-プの試料と同様に励起子共鳴領域で大きな非線形性を示すことがわかった。特に塩素を〜10^<15>cm^<‐3>低濃度ド-プしたサンプルでは大きな非線形性を示すことがわかった。これは不純物ド-プによる非線形性の増大効果の可能性を示唆している。
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