研究課題/領域番号 |
03205022
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
軽部 征夫 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50089827)
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研究分担者 |
鈴木 正康 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (70226554)
民谷 栄一 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (60179893)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 遺伝子検出 / 蛍光偏光解消 / ハイブリダイゼ-ション / DNAプロ-ブ / PCR / DNA診断 |
研究概要 |
本研究ではまず蛍光偏光解消を応用したDNAの検知システムについて検討した。すなわち、蛍光物質を標識したプロ-ブDNAとハイブリダイズした後の蛍光物質は、回転運動などの運動モ-ドが大きく異なる。したがって偏光解消度を指標としてハイブリダイズしたDNAの量を推定することが可能と考えられた。 まずハイブリダイゼ-ションの過程でどのように偏光度が変化していくかを調べた。その結果、偏光解消は時間とともに増加していき、しだい定常値に達することがわかった。この変化はハイブリダイゼ-ションの進行度を示している。いま、タ-ゲットとなるDNAとして、pBR322プラスミドDNAを540bp断片中の3個あるいは6個のシトシンをチミンに変化させた試料を用いて、これにプロ-ブDNAを作用させ、ハイブリダイゼ-ションの時間経過を調べた。その結果、ミスマッチの塩基数が増加することにつれ、蛍光解消度の増加率が小さいことが明かになった。 PCR増幅反応は、超微量のDNAを検出するきわめて有効な方法である。そこで蛍光偏光解消法をPCR増幅反応に適用した。まず、16merのオリゴマ-にFITCを標識したDNAプロ-ブを合成し、タ-ゲットDNAとしてpUC119プラスミドを用い、遺伝病の診断を考え、200bpから1kbpまでの範囲を選んだ。PCR増幅回数を5回より30回まで5回おきに測定したところ、5回以降蛍光偏光異方度が上昇していることが判った。これは、FITCで標識されたDNAプロ-ブがPCR増幅反応の進行にともなって、16merから目的の長さの2本鎖DNAへと伸長し、FITCの動的挙動が変化したことを示すと考えられた。またPCR増幅の初期の段階でより迅速に、タ-ゲットDNAの存在を確認できることも示された。さらに測定温度を高くすると偏光異方度が下がることもわかった。これは、溶液の粘度変化が反映しているものと考えられた。
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