研究課題/領域番号 |
03205033
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
松岡 英明 東京農工大学, 工学部, 教授 (10143653)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 植物生葉 / CO_2ストレス / 匂い分子 / 情報変換 / ベンジルアセテ-ト / 蛍光応答 / セカンドメッセンジャ- / Ca^<2+>(カルシウムイオン) |
研究概要 |
植物生葉のCO_2ストレス応答波形が匂い分子の存在により鋭敏に変化することから、CO_2ストレス応答機構を解明することが生葉を利用した匂いセンサ-の開発の基礎と考えられる。本研究では、第一にタバコ生葉(Nicotiana tabacum “Xanthi nc")またはタバコ培養細胞(N.tabacum line BYー2)のCO_2ストレス応答におけるセカンドメッセンジャ-(cAMP、Ca^<2+>)の関与を調べた。その結果生葉でのcAMPの関与は特に認められなかった。一方Ca^<2+>については、培養細胞にCa^<2+>検出用蛍光色素Fluo3(λ_<EX>=490nm、λ_<EM>=530nm)をマイクロインジェクション法により注入し、CO_2との反応に伴う蛍光画像変化の解析を行った結果、Ca^<2+>濃度が変動することが認められた。 CO_2ストレス応答についてクロロフィルに由来する蛍光変化を指標とする解析も平成して進めた。生葉では3%以上のCO_2に対して蛍光強度変化(△F/F)が認められた。応答波形は早い応答成分と遅い応答成分とから成ると考えられたが、単離した細胞レベルでは遅い応答成分のみしか生じなかった。またこの応答はN_2に対しても生じた。細胞レベルの応答特性と生葉レベルの応答特性を比較した結果、生葉では細胞内情報伝達系のみならず細胞間情報伝達系についても考慮する必要があると結論された。 一方、匂い応答実験を行うための準備として、匂い成分の定量的供給及び定量的分析を行う技術の確立が必要である。これを行うためには高性能の吸脱着特性を示す吸着剤が必要となる。そこで本研究では新たにテフロン系微粒子(TFEーMー32)に着目し、匂い部分としてベンジルアセテ-ト(BA)を選びその脱着特性を調べた。その結果、従来のTenax TAでは3回連続加熱脱着させてもBAの残留が認められたが、TFEーMー32では1回で完全に脱離することがわかった。
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