研究課題/領域番号 |
03205037
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
奥居 徳昌 東京工業大学, 工学部, 教授 (20111651)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 人工筋肉 / 高分子ゲル / ポリアクリルアミド / 繊維 / 伸縮応答性 / 溶媒交換 |
研究概要 |
アルクリルアミド(AcAm)ゲルのアセトン/水系混合溶媒に対する体積変化特性は、アセトンの含有率がOwt%〜50wt%の混合溶媒中では、ゲルは透明な状態を保ち、アセトン濃度の増加に伴って単調に減少した。しかし、アセトン濃度が50wt%以上になると、収縮初期ではゲルは速やかに収縮し、ゲル全体が白濁した。その後ゲルは緩やかに収縮し、ゲルの外周部から透明化し、最終的にゲル全体が透明になった。さらに、アセトン濃度が70wt%以上の領域では、ガラス転移と同様な複素弾性率の大きな変化を示した。このような収縮初期過程と収縮後期過程における機構は異なり、このような収縮過程は白濁の生成/消失機構と密接な関係があると思われる。外部溶液の交換におけるゲルの膨潤/収縮特性時間は、溶液交換前の溶液濃度には影響されず、ほぼ一定値を示した。これに対し、交換後の溶液濃度は、この特性時間に大きな影響を与えた。すなわち、膨潤/収縮特性時間は交換後の溶液濃度に依存し、交換前の溶液濃度や溶液交換前後の濃度差には依存しない。また。膨潤/収縮という異なる挙動にもかかわらず、交換後の濃度が40wt%以下では、膨潤と収縮における特性時間は一致した。この特性時間は、膨潤/収縮後のゲルサイズおよび膨潤/収縮過程における拡散定数に依存する。従って、溶液交換後における拡散定数が主に特性時間に影響すると考えれば、アセトン濃度40wt%以下における特性時間の挙動を説明できる。ここで、アセトン濃度40wt%以下におけるゲル繊維の特性時間と比較すると、50wt%以上における収縮初期では短いが、後期収縮では逆に非常に長くなり複雑な膨潤/収縮特性を示した。このようにゲルの膨潤/収縮特性は複雑であり、さらに詳しく検討する必要がある。
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